Business 2025.08.27

BEENOS HR Linkのこれまでの歩みと次の挑戦について伺いました


BEENOS HR Linkのこれまでの歩みと次の挑戦について伺いました

今後、就労ビザの中心となるであろう特定技能領域において、雇用企業における支援をサポートしている「BEENOS HR Link」。今回は、事業責任者である岡崎さんに、事業にかける想いや今後の展望を伺いました。
 

━ 事業を始めた経緯についてお聞かせください

BeeCruiseで新規事業を考える立ち位置にさせてもらったのがきっかけです。その中で、当時新設された「特定技能」という制度を見つけ、BEENOSグループとしての「越境」というキーワードともシナジーがありそうで、かつBEENOSでまだ事業展開していない人材という事業領域が面白そうだと考えました。人材という領域は基本全部レッドオーシャンだと思いますが、「特定技能」は新しい制度ということもあり、まだブルーオーシャンの可能性があるなと感じました。この組み合わせが面白そうだと調べ始めたのが、最初の経緯ですね。

その後、特定技能という領域で、どんな事業がよいのか、サービスが必要とされているのかといった市場調査を始めました。その中で、労務管理や書類作成といった課題が出てきそうだなと思い、テックの力で解決できないかというので「Linkus(リンクス)」というプラットフォームシステムの構想を作りました。その構想と市場規模などから事業計画を作り、直井さんはじめ、当時のボードメンバーへのプレゼンを何回か行い、まずはBeeCruise内での事業化とサービス開発の了承をもらいました。サービスリリース後に、この領域での事業展開であれば法人化した方がいいかなと考え、「BEENOS HR Link」がスタートしたという感じです。

 

━ 事業を進める中で、どのような苦労がありましたか?

岡崎: まず、事業化直後にコロナ禍になったことが大きいですね。飛行機が飛ばず、海外から人が入ってこないと動かない領域での新規事業だったので、最初の2-3年ぐらいは市場の動きがない中で事業を進めていくことになりました。

また、今も引き続き課題として向き合っているのが、「特定技能」という制度自体が新しく、まだ浸透しきっているとは言えません。「特定技能」制度が社会に広まっていくことで、その先にLinkusという私たちのサービスが活用される機会が生まれます。そのため、私たちのサービスを拡販していくことだけでなく、制度そのものを社会に広げていくための啓蒙活動も重要だと考えています。
 



━ その苦労を乗り越え、どのように事業を伸ばしていったのですか?

岡崎: Linkusは、特定技能制度で外国籍の方を雇用する企業が増えることで、必要とする企業が出てくるシステムです。そこで、すでに特定技能制度を活用している企業だけではなく、その前段階である、これから特定技能の活用を検討している企業もターゲットにしたコンサルティング事業などを始め、それとの抱き合わせでLinkusの導入をご提案することを始めています。

あとは単純に、特定技能の認知度を上げるための啓蒙活動として、色々なセミナーで登壇させてもらったりと、一見遠回りなやり方も含めて、数年間試行錯誤を繰り返しながら、徐々に事業を伸ばしてこれたと思っています。

 

━ Linkusの強みはどこにあるとお考えですか?

岡崎: 今後外国籍の方が日本で働くために必要な「特定技能」という在留資格の中心に置かれるものを、最初から軸足を置いて事業展開しています。ここに軸足を踏んだHRテックとして、日本で一番最初に始めていますし、ここからの拡大や広げ方、本来特定技能はこういう形であるべきだ、というビジョンに対しても広げやすいようなベースを元々作ってあるので、今後の特定技能の社会的な広がりに合わせて臨機応変にやっていけるサービスのベース作りをしているのが強みかなと思っています。最近も電車の運転手やバスの運転手なども特定技能で働けるように対象業種が拡大しています。日本の社会産業を回していく上で人手が足りないところ全てにおいて、外国人が働くのであれば特定技能が中心になっていくと思っています。

外国籍の方の力は確実に必要であり、その必要性はより高まっていくと考えています。一方で、まだまだ制度理解が不十分な会社も少なくない状況です。それらの状況に合わせて、啓蒙活動と業務課題のソリューションという両軸でのサービスが、今後10年、20年、50年後という日本社会のベース作りの一助になるような事業であったらいいなと考えています。
 

Linkusの画面を見ながら業務する様子




━ 今後、事業として挑戦していきたいことはありますか?

岡崎: 今メインになっているLinkusというシステムをベースにして、日本で働く外国籍の方と、雇用する企業に対して、日本で生活し働く上で必要な要素が全部集まっているプラットフォームを作っていきたいと思っています。例えば、日本の住む場所や通信環境、あとは病院に行ったときに日本語しか通じないからよく分からないといったことがあるので、医療通訳が必要になったりなど、ニーズのある要素は非常に多いのですが、今のところバラバラとサービス化されているものとされていないものがあるのが実情です。一つにまとまっているプラットフォームは確実に必要ですし、できたら非常に強いだろうなと考えています。Linkus立ち上げの時からそこを目指しているので、最初から今も今後もどんどんやっていきたいと思っている要素ですね。


 

━ 一緒に働く人に期待したいことを教えてください。

岡崎: 海外人材領域で働きたい志望動機として、『人助け』要素を挙げる方が少なくないです。ただ、私の感覚は少し違っていて、そもそも日本にきて働く外国籍の方は優秀で意識の高い人たちだと思っています。今僕が来週からベトナムに行って、2年働いてきてねって言われたら絶対にいけないですし。

なので、『できない』ではなく『知らない』だけ、『わからない』ではなく『各種制度がややこしい』だけ。そこをテクノロジーの力で改善したいと考えています。

そんな想いに共感してくれる方と一緒に、日本を選んでくれて働きに来てくれた人たちが、より「日本にいたい」「来てよかった」と思える、イコールそれが日本の国力向上にも繋がる、という状態を作っていきたいですね。