AI時代になぜオフィスに投資するのか?BEENOSが目指すハイブリッドワークのNEXTスタンダード
BEENOSグループは、2024年12月に本社オフィスを五反田JPビルディングに移転しました。多様な働き方が定着する中、なぜ「リアルなオフィス」に投資し、新オフィスへの移転に踏み切ったのか――
BEENOS常務執行役員の笠松さんと経営企画室の川本さんに、プロジェクトの背景からオープンなデザイン設計、AI時代における対面コミュニケーションの価値まで、オフィス移転に込めた想いを伺いました。
働き方とオフィスの役割
―現在の働き方のスタイルと、オフィスの役割について教えてください。
川本:BEENOSではオフィス出社と在宅ワークを組み合わせたハイブリッドワークを採用し、チームごとに「週に何日出社するか」といったルールを裁量に任せています。
笠松:当社は新型コロナによる緊急事態宣言が発令される前の2020年2月17日という早い段階で、社長の判断により一気に完全リモート体制へ移行しました。インフラ整備やセキュリティ面、手当の支給などの制度設計を超特急で実施して乗り越えましたが、その後も「出社とリモートのハイブリッド」が自然と定着しています。現在の出社率は平均すると40%程度です。
ハイブリッドワークの定着に伴い、オフィスのあり方についても相当な議論を重ねてきました。数字の集計やコーディングなどの集中作業は、自宅で誰からも話しかけられずに行う方が効率的な場合もあります。一方で、ミーティングや打ち合わせ、新規事業の立ち上げ、新しいアイデアの企画など、コラボレーションが必要な局面では、全員が同じ場所にガッと集まって進める方が圧倒的に生産性が高まります。
業務の性質に応じて働く場所を主体的に選べるようにすることが重要であり、リモートワークという働きやすさに対抗できる、自宅と同等に魅力的な「選択肢」としてオフィスを定義しています。
左:笠松さん、右:川本さん、メインエントランスにて
オフィス移転の意思決定と「五反田」へのこだわり
―約16年過ごした御殿山(品川)オフィスからの移転を決断された背景には、どのような理由があったのでしょうか。
笠松:旧オフィスは2008年から使用しており、2018年には大規模な全面リニューアルを行って環境を整えていました。その後も、移転は常に選択肢の一つとして検討していましたが、コロナ禍や国際情勢の変化などの影響もあり見送りが続いていた経緯があります
一方で、事業スピードを上げていくためには「もう少し出社を増やした方が良いのではないか」という思いが経営陣の中にありました。旧オフィスも環境は整えていましたが、より利便性の高い立地へ移転することで出社しやすい環境を整え、従業員が最大限パフォーマンスを発揮できる環境を作りたいと考えました。
川本:私は今回オフィス移転プロジェクトのPMとして参画しました。当時は経営企画とIRを担当していましたが、このプロジェクトは経営陣の温度感が非常に高く、挑戦し甲斐のある案件だと感じたため社内公募で手を挙げました。前回のリニューアルプロジェクトを主導した笠松さんと連携し、従業員にとってより良いオフィスとは何か?と常に問いながら経営陣やメンバーとプロジェクトを進めました。
―エリアとして五反田周辺を選ばれたのには、何か理由があるのですか。
笠松:前御殿山オフィス(品川)に勤務していた既存の従業員の通勤利便性を維持することに加え、私たちのコアビジネスである越境ECサービス「Buyee」への強い思い入れがあります。「Buyee」は五反田の雑居ビルからスタートしたビジネスです。経営陣が五反田という街の雰囲気やベンチャー精神に強い愛着を持っていたため、このエリアから大きく離れない形で決定しました。
オフィスのコンセプトとこだわり設計
―新オフィスのデザインやコンセプトにおける「こだわり」を教えてください。
笠松:社長からの強い要望であり絶対条件だったのが、「実用性」と「サバイブできる構造」です。事業や業績の変動に合わせて、オフィスを素早く可変できる構造に徹底的にこだわりました。例えば、従業員の憩いの場であるラウンジスペースも、事業の拡大や組織の変化に合わせて執務スペースへレイアウト変更できるよう、可変性の高い設計を採用しています。空間の活用効率を極限まで高めつつ、社外のお客様を真摯にお迎えできる機能美と実用性を兼ね備えた空間へと仕上げました。
川本:デザイン面では、当社の行動規範にある「お互いにリスペクトを持ってフラットに話そう」というオープントークの姿勢を落とし込み、なるべく壁を作らないオープンなデザインを採用しました。BGMが流れるカフェのような空間で、大きなテーブル席や個別集中ブースなど、業務内容に合わせて働く場所を選べる「ABW(Activity Based Working)」の考え方を取り入れ、固定席を廃止した「フリーアドレス」の運用を行っています。
その他にも、BEENOSの社名に繋がるミツバチの巣に由来する「ハニカム(六角形)」の意匠をオフィスの随所に取り入れています。生き生きとした本物の観葉植物をたくさん配置して自然に視線を遮る工夫をしたり、ガラス張りの内装や透け感のあるカーテンで「オープンな組織」という経営理念を表現しています。
多目的スペース「ラウンジ」、壁は工事しやすい設計で将来的な拡張に対応
オフィスはフリーアドレス制でオープンなデザイン・レイアウトを採用
社内外の反響と「ワンフロア」の効果
―移転後の社内の反響や、実際に生まれている効果はいかがですか。
笠松:一番喜んでくれたのは従業員です。また、遊びに来た元社員がオフィスの進化に驚いてくれるのも嬉しいですね。そして何より、旧オフィスでは2フロアに分かれて働いていましたが、これを「1フロア」に統合できたことが本当に良かったです。確実にコミュニケーションの発生頻度が上がっています。
川本:新オフィスでは動線をあえて一本に集約させており、人が自然とすれ違うように設計しています。自販機でコーヒーを買う際や、すれ違いざまの「ついで」の雑談から、部署の垣根を越えた様々なコミュニケーションが生まれています。
笠松:このほかにも、エリアごとに温度調整ができる個別空調、配送業者が直接荷受けできる専用室、商品撮影用スタジオ、人の集まることができるバーカウンター付きラウンジなどの工夫を凝らし、業務効率と社内交流の両面で大きな効果を実感しています。
多目的スペース「サブラウンジ」はランチタイムに人が集まる空間に
今後の会社・オフィスのあり方
―最後に、これからの時代におけるオフィスの価値や未来に向けたメッセージをお願いします。
笠松:今後、AIの台頭によって分析やコーディングといった個人で完結する業務は代替されていきます。そうなると、人間同士が集まって行うコラボレーションや決断といった「対面でしか生み出せないクリエイティブな活動」の価値、すなわち「オフィスで最大化する価値」が相対的に高まると考えています。
私たちの20年の歴史は、創業事業すら売却しながら何度も脱皮し、業態を変えてきた「変化への対応とサバイバル」の連続でした。AIという大波をチャンスとして捉え、自分たちの働き方をどう進化させていけるか、これからの変化をとても楽しみにしています。
川本:対面コミュニケーションを重視するもう一つの大きな理由は「スピード感」です。オンライン会議は非常に効率的ですが、対面だからこそ得られる些細なニュアンスの共有や、表情の変化から察するフォローには代えがたい価値があります。対面であれば「ちょっといいですか」とその場で数分集まるだけで即座に目線合わせができ、意思決定と実行のスピードを加速させることができます。新オフィスが持つ可変性と柔軟性を活かしながら、時代の変化に臨機応変に対応していきます。
笠松:直接会って話すことで心理的障壁が下がり、人間関係の悩みや組織の摩擦も自然と解消されていきます。これらはまさに、オフィスという物理的な場所が存在するからこそ得られる価値です。今後も「ここで働きたい!」と思える環境づくりを追求しながら、チャレンジと変化を楽しんでいきます。
BEYOND YOUR WORLD!BEENOSはチャレンジと変化を楽しむ文化です。
【取材記事】オフィス取材メディア「IBASHO」でより詳細な記事を公開中!
オフィス取材メディア「IBASHO」にBEENOSオフィスを取り上げていただきました。本記事で取り上げていないオフィス移転プロジェクトの詳細は「IBASHO」の取材記事からご確認いただけます。是非ご覧ください。
>> https://ibasho-ob.com/archives/beenos/
【関連情報】オウンドメディア「THE BEENOS」では、デザイナーの取材記事も公開中!
オウンドメディア「THE BEENOS」では新オフィスのデザインを担当したデザイナーの取材記事も公開しています。あわせてお読みください。
>>https://beenos.com/blog/contents/6999/
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