Engineering 2025.12.03

【CTO就任インタビュー】CTO三上が語る、BEENOSでの今後のチャレンジとAI時代に必要なこと


BEENOSが掲げる「野心とテクノロジーで世界の可能性を拡げるNextスタンダードを創る」をテクノロジー面で支えるのがエンジニアですが、今回は2025年10月よりBEENOS株式会社のCTOに就任した三上さんに、BEENOSとしての今後のチャレンジや、AI時代に求められるエンジニア像について伺いました。

 

―CTOに就任後、ご自身の中で変化はありましたか?また自身としてCTOの役割はどのように捉えていますか?

あまりマネージャーからCTOになった変化っていうほどのことはないですね。いずれにしろ、これまでと同様に事業貢献を果たしながら、環境の変化に適応していくことを引き続き推進していく必要性や、そういう役割をテクノロジー面で担えればと感じています。もし変化があったとすれば、自分を支えてくださる方々がすごく積極的に動いてくれてるのが、ありがたいなと思っています。彼らの支えられた分で得たリソースを、今後の方針を示すとか、そういうところに積極的に使って、組織全体で判断すべきことをより推進していかないといけないなと思っています。組織作りもそこに繋がってくるでしょうし、あるいは最新の動向であったり、技術面での啓蒙活動であるとか、本来CTOの役割はそういうところに繋がってくる。それで結果を出していくことになるのかなと思っています。



 

―今後取り組んでいきたい課題やチャレンジは何がありますか?

就任の直前にエンジニアやデザイナーが集まる会があり、そこでは、GMVとか売上といった事業の「トップライン」を上げていくことと、セキュリティ面であるとか、何か毀損しないようなリスクに関わる「ボトムライン」の水準を上げていくこと、このどちらもより大事にしていきたいよね、というメッセージを出させてもらっています。そのためにはエンジニアもデザイナーも、今まで通りのこのスピード感と品質ではいられないとも感じていて、両方を高めていくためには、やり方の部分から見直していかないといけないと思ってますし、そのための工夫はし続けないといけないと思ってるんですよね。なので、AIのプロジェクト活用も含めて、現場と対話をしながらやっていきたいと考えています。

あとは、組織作りの観点で言うと、現場でコミットするメンバーと、全社的に底支えするような縁の下の力持ち的なメンバーという役割分担など、事業を推進するエンジニアが、より働きやすいように、動きやすい環境を整えていくことはもう少ししていくかもしれないなと思ってます。例えば、レガシーシステムになり肥大化してしまって、チームが非常に大きくなってしまって身動きが取りづらくなるみたいなのは非常によくある話だと思っているのですが、チームを細分化していこうっていう動きは実際社内でも走ってきましたし、そういう動きをどんどん加速させてあげたいなと思ってます。

またエンジニア組織の中でも、例えばマーケティング観点とか、データ分析といったような欠けてる知識があったりもします 。それがBEENOS側でバックアップできる体制を今後作っていけたらいいなと思っていて、エンジニア組織の中で知識を流通させいく文化を創りたいです。



 

―AIをどのように活用していきたいと考えていますか?

昨今AIコーディングツールがすごく盛り上がっていて、当社でもエンジニアは全員GitHub CopilotやClaude CodeといったAIツールを使うことができます。コーディングにおいては、比較的成果も上がりやすいと思ってますし、AIツール導入も進めたいと思ってるのですが、事業として成果を出そうと思ったときに、コーディングとかプログラミングだけが爆速でもあまり価値はないと考えています。システムの開発だけで言うと、より広い範囲がありますし、さらに言えば、顧客に価値を届けるという範囲で言うと、もっともっと広いサイクルや、工程を見ないといけないと思っています。全ての工程でAIが生きてくるとは言わないのですが、その全体最適化を狙ったときにどう活用するかというのを、もっともっと考えないといけないと思っています。社内にはAIXといったAIを推進する部署やメンバーがいるので、彼らの力を適切に借りながら進めていければと考えています。

 

―AI活用が浸透することで、エンジニアに求められるスキルやスタンスにどんな変化があると思いますか?

AIコーディングツールが台頭してきたからといって、現時点においてはソフトウェアエンジニアが不要になる状況ではないと感じています。AIコーディングで生まれた成果物が適切であるかの評価ができる、あるいはまちまちなものが生み出されないために、ガードレールを設けてあげるという考え方があるんですが、そういうことをしようと思ったときは、必ずソフトウェアエンジニアリングの知識が必要になる。プログラミングっていうのは一瞬の断面でしかなく、プログラミングが連続した結果、システムというものが生まれて、そのシステムというのは、それこそ5年とか、あるいは10年とかメンテナンスし続けていかないといけない。システムやプロダクトを長く使ってもらうためには、このソフトウェアエンジニアリングという武器がどうしても必要になってくると考えています。

また、一般的にシステムを作るときには、非機能要件と呼ばれるものが重要だと思っています。非機能要件とは、システムが持つべき「機能」以外の要件を指していて、システムが「何をできるか」といった機能要件に対し、非機能要件は「どのようにできるか」を定義します。パフォーマンスであるとか、あるいはセキュリティも含まれるのですが、この非機能要件がビジネスを進める上ですごく重要です。例えば、中国のダブルイレブンのキャンペーンで、とんでもない人数が訪れたりするのですが、アクセス数も意識してシステムが組めてるか組めてないかで、システムがダウンするなどの機会損失を防ぐことができる。この非機能要件を意識してやっていくことが、エンジニアにとってすごく大事で、非機能要件も意識してエンジニアとして動ける人は、事業を支えるモノづくりができますし、これからもエンジニアとして生き残り続けると思っています。また、BEENOSでは目的思考をバリューの1つとして挙げていますが、事業成長などの目的を意識しながら、且つ継続可能にするためにソフトウェアエンジニアリングの知識を活用し、効率化も成し遂げる、一段レイヤーを上げた思考・動きが必要だと思っています。

 

―これから入社を考えている方へ、BEENOSで働く理由や魅力を教えてください

まず、BEENOSの事業における直近の動きでいうと、LINEヤフーグループにジョインしています。加えて、事業として国際的なものを扱ってるからこそですが、国際情勢の影響も無視できない状況でもあります。こういった攻守ともにバランスを保ちながら事業を進める必要がある状況の中で、エンジニアとしての成長に向けた機会が多くある環境だと思っております。AIの勃興やランサムウェア・Info Stealerによるセキュリティリスクの増大など、一層環境の複雑性が増している中で、エンジニアとして高水準なバランスで攻守双方を実現することは非常にチャレンジングであり、間違いなく成長の機会となり得ます。エンジニアとして、テクノロジーと事業成長の両立を成し遂げたい欲張りな方にはぜひぜひジョインしていただきたいです。そういう人にはお任せできることはたくさんありますし、BEENOSはそういう会社だと思っています。