Engineering 2026.03.02

世界が熱狂する「その瞬間」を守り抜く、インフラエンジニアが燃やす野心

 

BEENOSが展開するエンタメ特化型ECプラットフォーム「Groobee」。アーティストの限定グッズ発売時、一瞬で数万件のアクセスが押し寄せるこの過酷な戦場で、一歩も退かずにシステムを守り抜くために日々奮闘しているGroobeeのインフラUnitのチームリーダー櫛原さん。いかにして大幅なコスト削減を成し遂げ、最強のインフラエンジニアチームを築き上げたのか、熱い軌跡に迫ります。


医療の道から「最短で誰かの役に立つ」エンジニアの道へ


—エンジニアを志した原点を教えてください。

実は、もともとは医療の道を志していました。でも、致命的なことに「血」を見るのが苦手で挫折してしまって(笑)。進路に悩みましたが、「困っている誰かの課題を解決して、役に立ちたい」という根底にある想いは変わりませんでした。

そんな大学時代、独学で作った成果物をベンチャーキャピタルの方に評価していただく機会がありました。そのとき、自分の手がけたものが評価される喜びを知ると同時に、「エンジニアリングこそが、世界中の困っている誰かの課題を解決して、最短ルートで役に立つ」方法かもしれない!と確信しました。

物理的な制約を超えて、たった一つのシステムが何万人もの生活を支え、笑顔を生む。その可能性に魅了されたことが、エンジニアとして生きていく決意を固めた瞬間でした。


—BEENOSへの入社経緯を教えてください。

きっかけは、就職活動の時期に経験した3ヶ月間のインターンでした。その後、そのまま本選考に進んだのですが、決め手となったのはインターン中に出会った先輩方の「視座の高さ」です。
当時は、単に仕様通りにコードを書くのが仕事だと思っていました。でもBEENOSの現場は違いました。エンジニア一人一人が「そのコードがビジネスのどこに繋がり、最終的に誰を幸せにするのか」を常に考えており、学生ながら圧倒されたことを今でも鮮明に覚えています。

技術の先にある「価値」を本気で追求するこの人たちと一緒に、Buyeeのような世界を相手にする大きなプロダクトを開発してみたい。そう確信できたことが、私にとって最大の入社理由になりました。


—BEENOSに入社してからどのようなキャリアを歩んできたのでしょうか?

実はインターンから入社当初にかけては、アプリケーションエンジニアとしてキャリアを積んでいくイメージを持っていました。転機となったのは、社内で開催されていたインフラエンジニア向けの勉強会でした。学びの一つとして参加してみたのですが、そこでチームの方々と対話を重ねるうちに、グループ全体の基盤を支えるインフラの世界に強く惹かれ、BEENOSグループ全体のインフラを担う専任チームへ配属を希望しました。

このチームでの業務は、Buyeeという巨大なサービスを落とさないための監視体制の構築や、システムのバージョンアップ、自動化といった業務を通じて、「システムを創る」だけでなく「裏側で誰かを支え続ける」という仕事の奥深さを知りました。自分の手で課題を解決し、基盤をより強固にすることが、どれだけ多くのユーザーの安心に繋がるかを実感できたのは大きな収穫でしたね。

その後、3年ほど従事したタイミングで、事業成長に伴うインフラ体制の強化という大きな課題に直面しました。「今、自分が行くべき場所はここだ」という強い使命感を感じ、自ら希望して現在のエンタメインフラチームへと異動しました。


—Groobeeのインフラチームは主にどんな業務を行っていますか?

一言で言えば、「一瞬の熱狂を支え切る」ための攻めのインフラ構築です。Groobeeが扱うエンタメ商材は、「この瞬間にしか買えない」という限定品も多く、発売開始と同時に凄まじいスパイクアクセスが発生します。この急激な負荷に耐えうる強固なインフラを構築することはもちろん、セキュリティリスクの徹底的な見直し、イベント当日のリアルタイム監視、さらには負荷試験やエラー調査まで、その領域は多岐にわたります。

私たちのチームが少し特殊なのは、「メンバー全員がアプリケーションエンジニア出身」だという点です。

インフラの数値だけを見るのではなく、アプリ側のコードを読み解きながら原因を特定し、改善に繋げられる。この幅の広さがチーム全体の知識を底上げし、非常に高い技術力を維持していると思っています。

ただ、私がそれ以上に誇りに思っているのは、メンバー全員の「当事者意識の高さ」です。AIがコードを生成し、多くのことが自動化できる時代だからこそ、目の前の課題から逃げずに、愚直に向き合える情熱がある。そんな熱いエンジニアが集まったプロフェッショナルな集団だと自負しています。


—その中で、櫛原さん自身はどのような役割を担っているのでしょうか?

現在はチームリーダーとして、メンバーのタスク管理や進捗のコントロールを行うマネジメント業務はもちろん、私自身も一人のプレイヤーとしてインフラ構築のタスクをこなしています。

また、最近ではインフラチームの採用活動にも深く関わるようになりました。技術力があるのはもちろんですが、私たちが掲げる「世界と戦うインフラを創る」という夢に、同じ熱量で併走してくれる仲間を見つけ、思いを共有していく。現場の空気感を知るリーダーだからこそ語れる「BEENOSで働く面白さ」を、未来の仲間に直接伝える役割も大切にしています。


―インフラ改善によって大幅なコスト削減も実現されたそうですね。具体的にどのような改善を行ったのですか?

アクセス集中時にはサーバー台数を増やすことで対応してきましたが、コネクションプーリングの仕組みを導入し、DB接続を効率的に管理できるようになり、高負荷な状況でも少ないサーバ台数でより耐えうる状況になりました。
そこに加えて当時は複数の開発環境が個別にインフラリソースを保持しており、非効率な状態でしたが、細部まで徹底的に調査したところ、共用できるリソースが多々見つかり、それらを集約・見直したことで大幅なコストカットを実現することができました。

ただ、これらは決して私一人の力で成し遂げたものではありません。仕様の調整や検証など、膨大な作業を一緒に走り抜けてくれたチームメンバーがいたからこそ。一緒に同じ熱量で取り組んでくれたチームメンバーには、本当に感謝の気持ちしかありません。



—チームリーダーとしてマネジメントも行っていると思いますが、普段気を付けていることはありますか?


一番は、メンバーから湧き上がってくる「やりたい」という意欲や、現場視点の「こうしたい」という提案を、決してこぼさずに拾い上げることです。

インフラの世界では「安定」が最優先されますが、だからといって現状維持に甘んじるのではなく、新しい技術や手法に挑戦する姿勢を大切にしたいと思っています。メンバーが何かを提案してくれたとき、最初から頭ごなしに否定的なことは言わないようにしています。

私の役割は、彼らのアイデアを「どうすれば実現可能な形に落とし込めるか」を一緒に考え、全力でサポートすること。たとえ難しい挑戦であっても、それを形にするための道筋を整えるのが、リーダーである私にできる最大の貢献だと思っています。


—今まで特に困難だったことや、壁にぶつかった経験はありますか?

一番辛かったのは、Groobeeのインフラを任されるようになったばかりの頃です。まさに右も左もわからない状態で、任されるタスクを満足にこなすことすらできず。当時は周囲からの信頼も決して厚くはなかったと思いますし、自分自身の力不足を痛感する毎日でした。

しかし、そこで腐らずにいられたのは、周囲の支えがあったからです。色んな方に助けてもらいながら、「まずは絶対に落とさない基盤を作る」と心に決めて、一つひとつの課題に愚直に向き合い続けました。そうして一歩ずつシステム改善を積み重ね、ついに「システムダウンしない状況」を実現できたときは、これまでにない大きな達成感がありました。あの苦しい時期があったからこそ、今のチームで掲げている「攻めのインフラ」への想いがより強くなったのだと感じています。


「待合室」はいらない。日本発のエンタメを世界へ届けるために


—見事2025年度の社員表彰では、櫛原さん率いるGroobeeインフラチームが優秀賞を受賞されました。コスト削減やセキュリティ、品質強化など全方位での貢献が認められましたが、なぜこれほどの成果を出すことができたのだと思いますか?

一言で言えば、チームメンバー全員の「良い意味での諦めの悪さ」。これに尽きると思っています。
私たちが向き合ってきたのは、一朝一夕では解決できない根深い課題ばかりでした。それでもメンバーの誰一人として、「このくらいでいいか」と妥協することはありませんでした。どんなに時間がかかろうと、どんなに困難な壁にぶつかろうと、決してめげずに「もっと良くできるはずだ」と意見を戦わせ、最善の選択を追求し続けてきました。
例えば、長期間にわたる負荷対策や、地道なコスト削減のための調査も、みんなで積極的に意見を出し合いながら、励まし合いながら乗り越えてきました。今回の受賞は、そんなメンバー一人ひとりの執念と、愚直に積み重ねてきた努力が形になったもの。リーダーとして、これほど誇らしいことはありません。


—システムが安定した今、チームが次に見据えている課題を教えてください。

次は、「パフォーマンスチューニング」を極めていきたいと考えています。

具体的に掲げている目標は、Groobeeで待合室が使用される機会を減らすことです。限られたコストの中で、待合室を完全撤廃することは難しいかもしれませんが、インフラの力で、ユーザーが「待たされている」と感じない、ストレスフリーな購入体験は必ず作れると信じています。

欲しい瞬間に、欲しいものが、確実に買える。そんな「絶対に落ちない、止まらないECサイト」という最強の武器を、Groobeeに持たせたいと思っています。

そのために、限定商品を狙い撃ちにするBotや不正ツールへの対策、そしてまだ社内に知見が少ない「負荷試験」のスタンダード構築を、私たちが先陣を切って進めていきます。そうして磨き上げた技術があれば、日本のエンタメが海外の巨大なトラフィックにさらされても、ビクともしない環境が作れるはずです。

世界中のファンが、日本のエンタメを心ゆくまで楽しめる未来を、このインフラから創り出していく。それが、今の私の大きな夢ですね。


「夢を持てる会社」で、同じ熱量を燃やせる仲間を待っている


—最近はインフラチームの採用にも関わっているとのことですが、実際に候補者の方と接する中で、組織の変化や手応えを感じることはありますか?

すごく感じています!昨今入社する若手エンジニアは非常に技術力もあり、それだけでなく驚くほど熱量の高いエンジニアが集まっています。引く手あまたな職種だからこそ、BEENOSの「世界と戦う姿勢」に共感してくれる人が増えてくれると嬉しいなと思っています。

また、私たちのチームとして何より優先したいのは、技術力よりも、まず熱意です。システムが抱える課題を自分事として捉え、どれだけ粘り強く向き合えるか。良い意味での諦めの悪さこそが、世界に通用するインフラを創るための唯一の条件だと信じています。技術は過程でついてくると思います。まずはその熱量を、このGroobeeというフィールドで思い切りぶつけてほしいですね。



—最後に、候補者の方へメッセージをお願いします。


BEENOSは、自分の夢や意見を形にできる「夢を持てる会社」だと思っています。

もちろん、私たちが向き合っている課題は決して楽なものばかりではありません。でも、そんな困難な壁に対しても、粘り強く、同じ熱量で併走してくれる方とぜひ一緒に働きたいです。もし今、自分の技術力に少し不安があったとしても、そこは心配しないでください。大切なのは、どんな課題でも、「面白い」と笑い飛ばしながら、一緒に解決していけるマインドがあるかどうかです。

世界中のユーザーに感動を届けるために、私たちと一緒に「最強のインフラ」という武器を創り上げていってほしいです。志を持った方と出会えるのを、心から楽しみにしています!