Engineering 2026.02.26

SREチームで「サービスの健康」を保つ、24新卒若手エンジニアの挑戦


「なんとなく始めたプログラミング」が、「経営の意思決定を支える武器」に。2025年度BEENOS新人賞(金賞)を受賞した松沼さんは、BEENOSの主要プロダクト「Buyee」の基盤を支えるSREチームで頭角を現しました。技術的な理想とビジネスの現実をどう摺り合わせているのか。「楽しさへのこだわり」と、理想を現実に落とし込むBEENOSエンジニア組織の真髄に迫ります。


物足りなさを打破するため、一歩踏み出した先で見つけたエンジニアの道


ーエンジニアを目指したきっかけを教えてください。

大学では九州工業大学の電気電子工学科で、主にハードウェアや回路の勉強をしていました。転機は大学1年生の時のコロナ禍でした。外出も制限され、学校もリモート授業が多く、思い描いていた大学生活とは全く異なっており、どこか物足りなさを感じていました。そんな時、YouTubeでたまたま流れてきたWeb広告を見て、「面白そうだな」とプログラミングを始めたのがきっかけです。

そこから学内のプログラミング研究会に入り、ハッカソンなどのイベントに参加するうちに、純粋にモノづくりが「楽しい」と感じるようになりました。4年生では情報系の研究室を選び、自然な流れでエンジニアを志すようになりました。


ー数ある企業の中で、BEENOSを選んだ決め手を教えてください。

理由は大きく2つあります。

1つは、圧倒的な「人の魅力」です。学生時代に参加したハッカソンで、現CTOの三上と出会ったことが大きな転機でした。技術力が評価の主軸になるハッカソンという場所で、三上は僕たち学生を「一人のエンジニア」として尊重し、技術だけでなく個人の趣味嗜好やキャリア観に至るまで、本当に真摯に耳を傾けてくれました。
技術力で差別化を図ることが多いエンジニアの世界において、そうした「人としての温かみ」を大切にする三上の姿を見て、「この人がいる会社なら、きっと人を大切にする文化があるはずだ。ここで一緒に働きたい」と直感しました。

もう1つは、「海外展開」という事業内容です。もともと海外志向が強く、日本のプロダクトを世界へ広げていくような、チャレンジングなグローバル環境に身を置きたいと考えていたので、自分の理想とピッタリ重なりました


ー実際に入社してみて、ギャップはありましたか?

良い意味でのギャップがありました。ベンチャー気質がありつつも、組織として非常にしっかりしている。特に現在の部署に来てからは、自由さと組織的な規律のバランスが想像以上に整っていると感じています。


信頼性の向上と健康維持。プロダクトの根幹を担うSREの役割



ー現在所属しているSREチームの役割を教えてください。

僕が所属しているSREチームが担う役割は、大きく分けて二つあります。

1. プロダクトの信頼性向上
BEENOSの主要プロダクト「Buyee」に関わるシステムの安定性を高める役割を果たしています。具体的には、決済基盤のモニタリングや異常検知などを担っています。一例を挙げると、特定の決済手段でエラー率が少し上昇した際、ユーザーが「買えない」という不利益を被る前に異変にいち早く気づき、すぐに原因を特定し、改修のために動いています。24時間365日、世界中のユーザーが安心してサービスを利用し続けられる基盤を作っています。

2. サービスの健康を保つ
「Buyee」は数多くの国内ECサイトと連携しており、その裏側で動いているシステム同士のやり取りも膨大です。そのため、日々扱う情報量は増え続けています。情報量が増加すると、どうしても重くなったり、処理効率が悪化したりすることがあります。SREチームでは、健康診断のように、サービスの健康状態を可視化し、手遅れになる前に改善策を打てるようにしています。健康診断結果をもとに、マネージャーや経営陣に対し、サービスのあるべき姿や投資の判断材料を提供し、組織全体の適切な意思決定をサポートしています。


ー松沼さんは具体的にどのような業務を担っていますか?

主に障害対応や運用改善・可観測性向上、チームとしてはデータメンテナンスとそこから派生する不具合の調査・改修を行なっています。具体的には、障害が発生した際に報告→暫定対応→再発防止→恒久対応の舵取り等。
発生した事象の整理からどうしたら再発しないかを検討し、行動に移すところまでを責任持って対応しつつ、そこから必要になってくる運用改善や可観測性の向上を一番の責務と捉えています。

SREチームとしては日々上がってくる膨大なデータや決済ログを監視し、「なぜこの処理でエラーが起きたのか」を深く掘り下げていきます。例えば、決済不備の裏側にあるプログラムの微細なバグを特定、コードを修正し再発を防ぐといった一連のサイクルを回します。その中で当チームの面白いところは、特定の機能に閉じず、プロダクト全体のあらゆる情報が集約されている点。決済や配送、ユーザー対応など、様々な不具合にも誰よりも早く気づくことができます。

巨大なプロダクトである「Buyee」の全体像を、これほどスピーディーかつ深く理解できるポジションは他にありません。「点」で起きた事象から「面」としてのサービス構造を理解する。プロダクトの根幹を支えながら、エンジニアとしての視座を最速で高められる仕事だと自負しています。


―その中でも、特に壁にぶつかった経験を教えてください。

特に難易度が高かったのは、「障害対応」と「チケット管理ツールの移行プロジェクト」です。

障害対応では、素早い判断が必要な状況下はもちろん、再発防止に向けた取り組みが非常に重要でした。開発チームの各リーダー陣から本質的な課題を引き出しつつ、自分の意見も主張しながら、組織として最善の方向性を導き出さなければなりません。ドメイン知識も技術領域も、当初は知らないことだらけ。必死に調べ、学びながら試行錯誤を繰り返す中で、人を巻き込んで物事を動かす難しさを痛感しました。

また、1年がかりとなった「ツール移行プロジェクト」も大きな試練でしたね。ジョブローテーション中から関わり、配属後には主業務として推進していたのですが、進捗70%という完了間際で「ツールの選定見直し」という事態に。年末にすべての作業が白紙に戻った時は流石に堪えましたが、「なぜこの移行が必要なのか」という目的思考を捨てず、積極的に粘り強くビジネス側とも対話を重ねました。最終的に1年越しで完遂できたことは、大きな自信に繋がっています。


―今後、松沼さんが目指すチャレンジは?

「ユーザーを裏切らないサービスであり続けるための信頼性向上」と、「Buyeeが引き続き健康であるために、健康状態を可視化し改善策を打つこと」。このSREの思想を、組織の文化として全社員に浸透させていきたいと考えています。
例えば、車の設計士が「安全性」を考慮せずに設計していたり、ディーラーがその安全性を知らないまま販売していたりしたら、お客様は怖くて車を買えないですよね。サービスも同じです。

エンジニアだけでなく、企画やビジネスサイドも含め、プロダクトに携わるすべての人が「サービスの健康状態」を自分事として捉え、同じ熱量で向き合える状態を作りたい。この考え方を組織全体にどう広めていくかが、今の自分に求められている挑戦だと思っています。


「楽しい」を軸にするマインドセット



ー仕事に向き合う上で大切にしていることは何ですか?

一番の軸にしているのは、「自分が楽しいと思える選択をする」ことです。
ただ、これは「やりたくないことはやらない」というワガママな意味ではありません。たとえ一見つらそうな局面でも、その中から自分なりの「楽しさ」を見出すようにしています。たとえ後付けの理由であっても、「自分は今、楽しいことを選択してここにいるんだ」という納得感を持って向き合うことが、仕事の質を左右すると信じています。

また、周囲からは「直感で動いている」ように見えるかもしれませんが、自分の中では常に「目的志向」であることを大切にしています。「何のためにこれをやるのか」というゴールさえ見失わなければ、判断に迷いはありません。

若手のうちは、失敗を恐れずにどんどんチャレンジしていきたいですね。むしろ「失敗のバリエーションを増やす」くらいの攻めの気持ちで、波に乗っていきたいと思っています。


ーBEENOSのエンジニア組織はどんなところだと思いますか?

一言でいうと、「自我を出せる場所」ですね。

エンジニアって、技術的な理想を語ろうと思えばいくらでも語れてしまう職種だと思うんです。でもBEENOSは、ただ夢を見るだけではなく、「その理想をいかに現実に摺り寄せ、サービスに寄り添わせるか」という塩梅を実地で学べる環境です。

自分のこだわりを形にしようとする意思(自我)を尊重しつつも、それがビジネスとして、あるいはサービスとしてどうあるべきかという「現実」を肌で感じられる。技術者としての理想と、サービスとしての価値。その両方を経験できるのが、BEENOSのエンジニア組織の面白さだと思います。


ー最後に、BEENOSを志す候補者の方へメッセージをお願いします。

単なる技術者ではなく、サービス志向でビジネスに寄り添えるエンジニアになりたい方には、最高の場所だと思います。一緒に面白いサービスを作っていきましょう!