Business
2023.12.22
新事業「FanVas(ファンバス)」躍進を支える裏側
2023年5月よりスタートした新事業「FanVas」を担当する村崎に事業発足の背景やローンチまでの流れ、これからの展望についてインタビューしました。
―村崎さんのご経歴について教えてください
村崎:BEENOSには2022年の7月にキャリア採用として入社しています。前職は美容業界の専門紙を製作する企業でエステサロンを盛り上げる企画や美容系のアワードの企画などを担当していました。仕事自体は楽しかったのですが、次第に紙媒体としてできることの限界を感じてしまうようになり、もっと多くの人に情報を発信していきたいと感じてウェブマーケティングのスキルに興味を持ちました。また前職ではBtoB向けの仕事を担当していましたが、BtoCの発信に挑戦してみたいと思いました。転職活動はその2つを軸に行いました。
あまり業界は絞っておらずウェブマーケティングのスキルを磨けるところを第一に考えて活動しました。BEENOSはグループ会社が多く横展開の広がる可能性が高い点に魅力を感じました。入社後の当初は宿泊や旅行事業を行うBEENOS Travel株式会社でホテルの長期宿泊をリーズナブルに予約できるサービス「マンスリーホテル」のウェブマーケティングを担当していました。その後新規事業立ち上げのタイミングでFanVas担当となり現在に至ります。
ユーザー視点を生かして新事業の担当へ
―入社されてみていかがでしたか村崎:入社の決め手となった横展開の可能性については、入社後に詳細なビジョンを共有いただいたことで具体的な展開方法が見えてきています。現在担当しているコンサートやライブに参加するお客様向けのツアーバスサービスFanVas事業では、同じグループ会社でエンタメDXを推進するBEENOS Entertainmentと関わっています。事業の掛け合わせにより新しい事業展開を行っていく過程は実際に自分が取り組んでみて面白さと可能性を感じています。私自身が個人的にK-POPなどのライブイベントによく参加していることもあり、新規事業として立ち上がったFanVasの担当となりました。事業運営について考えるときに、自分事としてユーザー目線で考えることができると感じています。
スキルの獲得ということだけではなく活用方法という面でも視座があがったのではないかと感じています。ウェブマーケティングについては、入社後当初マンスリーホテル事業でウェブ広告回りやLPの作成などでコンバージョンを増やしていく実務スキルを学びました。そこからFanVasを担当するようになりウェブマーケティングは事業を拡大させるための手段の一つとして考えるようになりました。新規事業を進めるために広い視野で様々な取り組みに関心を持つようになった結果、明確にウェブマーケティングの役割を認識しその使い方について考えるようになったと思います。
スピード感があり、挑戦する社風を感じる
―BEENOSに入社されて感じていることを教えてください村崎:BEENOSはIT企業ということもありスピード感があります。FanVasの展開で言えば、とにかくやってみるという姿勢でミニマルスタートし、上長の承認も非常にスピーディです。
FanVas事業の骨組みを考えてからサイトの構想やユーザーフローの設計、サービスの提供方法などワイヤーフレームを決定し、既存のプラットフォームを利用した形でサイトを用意しながらスケジュールを会場側と決定してオペレーションを出すというところまで1か月かからないくらいで進行していきました。本当に早かったと思いますし、挑戦していく社風が反映されていると感じました。
―時系列ではどのように進行したのでしょうか
村崎:インバウンド需要の復活を受けてBEENOSの出資先の貸し切りバスマッチングサービスと既存のシステムを活用して新たな事業が出来ないかと考えたことがきっかけで検討を開始しました。コンサートなどのイベントが行われる会場では一気に人流が集中することから、需要があるのではないかと仮定して具体的な事業案を構成し始めました。その後2、3月頃にサービスサイトの準備やオペレーションの準備、関係会社との調整を進め、4月には有明アリーナと運行調整や契約をまとめて5月にローンチ、実証実験という形でスタートしています。乗降車場所の調整などができ次第、全国展開をしていきたいと考えています。
―FanVas事業の概要について教えてください
村崎:FanVasはコンサートやイベント参加者の交通・宿泊の課題を解決する事業です。2023年5月に送迎専門のツアーバスサービスとして誕生しました。8月からは宿付きパックの提供もスタートし、バスチケットに加えてホテルの予約まで一気通貫で完了できるようになりました。現在連携している有明アリーナで行われるイベントでは、1万人以上が一カ所に集まる規模となっています。この参加者がイベント終了後に一気に会場から出てくることになるのですが、それにより公共交通機関の混雑や周辺地域への騒音などの問題も発生していました。そういった課題を解決し、会場で楽しい体験をするその行きや帰りについても、楽しく快適に過ごしていただくための事業です。FanVasの提供するツアーバスは、イベントがある日は往路で1便、復路で6便ほど運行しています。東京駅-有明アリーナ間の乗車料金は片道便が税込み1,000円から、往復便は税込み1,800円でご利用可能です。ユーザーからは「コンサート後は疲れているので、バスに乗れて快適だった」「また利用したい」などの嬉しい声をいただいています。
―事業運営で苦労した点を教えてください
村崎:FanVasは新規事業ですので全く認知のないところから始まったという点だけでも非常に苦労は多いのですが、特に会場との連携をしていくうえで駐車場の管轄が会場だけでなくイベント主催者の許可も必要だったりするので、そういった調整が難しい部分がありましたね。また、販売価格の調整にはとても気を使いました。開始当初は公共交通機関と比較したときにFanVasを選んでいただきやすい価格に設定していたため、ボランティア事業になりかねないような状況でした。現在の乗車料金は現状において適正価格として運行できていると思います。
施策の実施で乗車率が向上
―横展開のお話についても教えてください村崎:9月には興行主催者と一緒に、人の流れを図るシステムの実験を兼ねつつ、協賛企業様から提供いただいたサンプル商品や飲料水などをお客様にプレゼントする企画を考案して実施しました。
また、FanVasをご利用いただくファンの方に向けてアーティストさんのサイングッズの抽選プレゼントなどの施策も行いました。サイン入りポスターなどお客様の反応はとても良かったです。
「イベント終了後に水やドリンクをもらえるのは嬉しい」といったお声もいただいています。こういった施策を実施するとバスの乗車率は平時と比べて向上します。今後もお客様に喜んでいただけるような施策を企画して運営していきたいと考えています。
サービスの拡充を行い全国展開も視野に
―FanVasの今後の展望について教えてください村崎:イベントに遠征して参加されるファンの皆様に向けてホテルの販売に力を入れていきたいです。そのために今ちょうどサイトをリニューアルしている最中です。例えば、現地の土地勘がない人のために自分の家から会場や宿泊先までどうやって行けるかサイト上で提案できる仕組みを検討しています。地方から東京遠征だけではなく東京から地方遠征もありますので、現在は関東圏のみのFanVas運行ですが今後は全国の駅から遠いアリーナをFanVasでカバーしていきたいです。さらにBEENOS Entertainmentともどんどん協力を進めてアーティスト事務所と提携したFanVasの展開などもやって行きたいと考えています。
―村崎さんの今後の目標を教えて下さい
村崎:まずはFanVas事業で安定して黒字収益を出せるようにしていきたいです。マーケティング施策を活用してより多くの方にFanVasを知っていただき、ご利用いただく機会を増やしていくことで事業として軌道にのせていきたいと考えています。
―事業が安定して拡大しFanVas事業に新たに加わる人が増えてくるとすれば、どのような方が向いているでしょうか
村崎:日々のオペレーションは単純作業も多いのですが、業務内容に疑問を持ち改善を提案するなど高速でPDCAを回して効率化を求められる人はスピード感についていけるのではないかと思います。実際に事業のオペレーションは日々アップデートを重ねていています。例えば、5月のローンチ時には乗車確認として行うチケット購入者とリストの照合作業をアナログに目視で運用していましたが、7月には電子チケットにすることで100人以上のボリュームでも効率的に受け付けられるように改善しています。改善の余地は挙げればきりがないですが、そういったことにも一緒に取り組んでいただけたらと思います。また、社内にエンジニアがいることが会社の特徴でもあるので、改善できると感じたら対応できる環境もあると感じています。
―ありがとうございました