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2022.03.22
トップコンテンツのECを運営するECスペシャリストの仕事とは? エンタメDivのモノセンス遍歴から紐解く”ディレクション力”の正体
BEENOSのエンタメ事業の主軸となっているアーティストのファンクラブ運営やCD,MD企画などを一手にディレクションしている中村さん。プロダクションやレーベル、運営といった垣根を飛び越えて必要とされるアクションを柔軟に起こし、コンテンツの魅力を発信し続けています。そうした動きの中で特に重視される具体的なディレクション力や、ECを中心としたキャリアについて伺いました。
中村:コンサル会社に入社し事業開発部で1年間事業を調査、発掘、分析する業務に当たりました。2年目から立地戦略で出店すべき立地の選定や分析を行い、3年目から販促支援を行う戦略企画室に所属し商品企画を運用していました。その部署が分社化したことで出向となり、当時はモバイル黎明期で、会員400万人のモバイルメディア運営に従事し、会員さんに向けてメールを打ったり原稿を書いたりカスタマーサポートをしたり、広告の売買、アフィリエイト、バナー制作のほか、初歩的なhtmlタグでページ作成をしたりEC運用をしたりなど全般をやっていました。
親会社業績悪化に伴って、分社化していた子会社はM&Aによって転籍する形となりましたが、転籍先でモバイルに関する広告の販売などを主に、モバイル以外の広告も取り扱っていました。当時はゲームアプリと飲食店のタイアップ企画なども行っていました。
モバイル事業従事後は、ご縁があり大手小売りチェーンの海外事業部の人事コンサルをさせていただくことになり、台湾、シンガポール、上海、アメリカなど各現地の幹部陣や店長の方々に向けて日本流の接客マニュアル作成や研修実施、組織風土診断などをしていました。
その後、玉谷さんから誘われてモノセンスの仕事をはじめたのですが、モノセンスではアーティスト全般のディレクターとしてCDやMDの企画販売運用・現地対応を包括して担っていました。
―モノセンスの初めの仕事はアーティストの案件からだったんですね
中村:そうですね。モノセンスでは最初はアーティストのECサイト運用からスタートして、グッズだけでなくDVD,CDと扱うものが増えていき、担当するアーティストの数や業務範囲も増えていきました。
―モノセンスの事業について詳しくお伺いしても良いですか?
中村:アーティストのオフィシャルショップの運用とオリジナルブランドの運営ですね。私はオフィシャルショップの運用、CDショップ、ファンクラブを主に管轄しています。どの事業も各メンバーに任せて運用していますが、ファンクラブは私がディレクターとして携わっています。
現事業を引き続きより伸ばしていきながら、一方でモノセンスとしてさらに新たなチャレンジをいくつか考えています。ポイントは2つで、1つはEC運用に自信は持ちつつもそこにこだわらないこと、もう1つはより多くのアーティストやクライアントに喜んでいただける展開をしていくこと。EC領域にこだわらないというのは、アーティストのネットショップを10年近く運用してきた中で大変なこともたくさんありましたが、日本のトップコンテンツのECをずっと運用しつづけてきたことにより多くのノウハウや見識やメンバーの成長につながりました。EC運用に自信を持っていいと思っているのですが、一方でそこにとらわれすぎて自分たちの可能性を狭めない方が良いと思っているんですね。今まで培ったものを活かしつつ、各アーティストやクライアントのお役に立てるものはEC領域にとらわれすぎず積極的にチャレンジしていこうと考えていますし、実際にそういった取り組みをすでにし始めています。
―全体で数十億円単位で売り上げている事業ですが、どういう風に成長させてきたかを伺えますか
中村:どんな企業もどんな事業も人も自分たちの努力だけでなくて運とか縁、タイミングというものが必ず関わっていると思うんです。その中でそういうタイミングが来た時に選んでもらえる存在足りえるかがすごく大事なのかなと思います。選んでもらえるための要素は自分たちの仕事を限定しないでいかに相手の立場に立って相手の役に立つことを提供しようと心掛けられるか、そして実践し続けられるか。振り返るとそこがポイントだと思います。
一番最初、モノセンスのECディレクターは現BET(BEENOS Entertainment)代表の内海君しかいなかったんです。当時のモノセンスはエンジニアやデザイナーなど含め10人くらいの組織で、その中で私が2人目のディレクターとして入って内海君と一緒にやってきました。当時はもう本当にスタートアップで、みんなで週に半分くらい会社に寝泊まりして運用し続けていたんですけど(笑)。今はもうそういった働き方はなくしました(笑) 我々の管轄はECではあったわけですが、MDというもっと大きな階層で考えて様々な現場に行きリアル物販も担当し、売り子や列整理や会場の賑やかしといったことまで対応し、MD全体が盛り上がる取り組みをしてきました。
CDの取り組みでも自分たちのEC領域という枠だけにとらわれず、プロダクションやレーベルやイベンターの方々のよりお役に立てる存在足りえるよう様々な業務に積極的に対応してきました。
CDでは特典会を提供しているケースもあったりするんですね。そこでの我々の仕事はインフォメーション対応で、参加券を忘れてしまったとか、引っ越しして参加券と身分証の住所が一致しないとか…そういったお客様対応がインフォメーションなのですが、そういった対応以外も気になったことをどんどんやることにしたんです。
例えば会場運営とか。細かいですが空調が熱すぎる寒すぎる場合はイベンターさんに温度調整をしてもらったり、一部のお客様が座り込んでしまっていて通行の妨げになっている場合はお声がけさせてもらったり、またはインフォメーション対応においても参加券を多くお持ちの方にはうまく全参加券をお使いいただけるよう調整を図ったりなど、お客様が過ごしやすい空間づくりやまた来たいと思っていただける運営に努めていました。
もちろん我々の主要業務はEC領域ですからいかにECの売上を伸ばすかが最重要で、そこがおろそかになっていては意味がありませんので、しっかりとEC領域を運営していることが大前提でその上での+αということですね。
そうすると、自分たちの管轄以外の仕事も積極的に行うことを評価していただけ、モノセンスにどんどん任せようと思ってもらえる。こちらからの相談にも仕事に関係なく乗ってくださるし、そういったことを積み重ねてきた結果が今なんじゃないかと思います。だから取り扱う商材も増えていきましたし、新しいアーティストも「お願いね」と任せてもらえました。
新しいことが始まるとき、何かを検討しているとき、そういったときに相談してもらえる、選んでもらえる自分たちでありたいと思っていて、自分たちの仕事を限定せず取り組んできたことがここまで事業が大きくできた要因じゃないかと思っています。もちろん負荷はすごかったのですが、モノセンスのみんなとそれを乗り越えてきて今があるんだと。
―すべてに関わるというマインドでやっているんですね
中村:お客様から見たらプロダクションなのかメーカーなのかレーベルなのかイベンターなのかモノセンスなのか、とか関係ないんですよね。オフィシャルショップを運営しているんだから運営なんでしょという話だと思うんです。我々は運営であるという意識で各業務に取り組まなければいけないという話はモノセンスのメンバーにさせてもらっています。
―運営では様々な役割がありますが特に必要な要素をお伺いしたいです
中村:一言でいうとディレクション力でしょうか。エンタメ業界に関わっている方々はクリエイティビティや企画力が本当にものすごくあって、面白いアイデアがどんどん出るんですよ。ただ、それをシステムとしてサービスとして具現化できるかどうかは別問題なんですね。
という中で、我々はリアルとWEBの両方の知識や経験を駆使して、いかにエンタメのDX化や実現化に向けて交通整理できるかが大事と思うんです。
様々な関係各社に対して企画内容を一番良きようにどうまとめられるか、各社でもちろん思惑や利害関係やメリットデメリットがそれぞれあってモノセンスとしてももちろんあるわけなんですが、それが一番いい形になるようにする、ただディレクションするだけじゃなくてその企画が最も成功するようなディレクションに努める、というのがポイントだと思います。我々が重宝していただけているとしたら、そういうところに重きを置いて活動していることが理由なんじゃないかなと思います。
―モノセンスでの仕事の特色はどういったところですか?
中村:やはりディレクション力じゃないでしょうか。採用でも応募者の方にお伝えしているのはディレクション力が身につくというところなんです。このディレクションをやれるようになったら色んなディレクションができるようになると思いますよ、と。
―どういう点が他社と異なるのでしょうか?
中村:まず関係者が多いですよね。社内外含めてやり取りする方々が多いので、その人数をしっかりディレクションできるかどうかがポイントです。あと、無理難題というか難易度の高いも調整事もめちゃめちゃ出ますということ(笑)。
―それはエンタメ業界ならではという部分もありますか?
中村:あると思います。クライアントからハードな指示が来たとか、仕様が何もきてないとか、または仕様が決まって開発着手しているのに仕様変更の依頼がきたとか、エンジニアあるあるのような話は、エンタメ業界に限らず様々な業界でもあるお話だとは思うんですね。
とはいえエンタメ業界ならではの部分もやっぱりあって、例えばコンサートが来月急に開催されることになったから慌ててグッズを作り始めないといけない、今から間に合うグッズで考えないといけないし、でもファンの方たちに喜んでもらえるグッズにしたいし、間に合う工場は日本なのか中国なのか、数量はどうしよう?など急いで決めて進行していかないといけない、といったことがあったりするんです。
余裕のあるスケジュールだったらという気持ちや要望はもちろんありますが(笑)、限られた期間の中で何が一番ベストなのか、妥協案ではなくベストな案を模索する。
関係各社が希望するアウトプットは何か、それがそのMDや企画や施策において最適か、他案件との兼ね合いも含めて限られたリソースの中でどうスケジュールを立て業務配分を行うか、スピード感を持って進行できるか、無理や無駄はないか、ベストな選択を調整しつつ探りつつ依頼、指示、確認をする。その繰り返しの中で全体最適を図り続ける難しさと面白さがディレクションの醍醐味だと思います。
こういったことが身につくとものすごく広い視野でいろんなことが出来るようになるんですね。新規事業や新案件の立ち上げでもいいですし、別の事業のディレクターに変わったとしてもやっていけるんですよ。何を気にして何を確認してできることできないことをはっきりさせていきながら、各社の要望をどう交通整理していくか。そういうことができる人ってどこに行っても通用するんです。
―特にモノセンスはトップコンテンツを扱っていることから関係企業や人がすごく多いと思うのですが、いかがですか。
中村:規模が大きいのでやはり関係者は多いと思いますね。
―BEENOSの強みって何でしょうか?
中村:チャレンジする風土が強いところだと思います。
―メンバーにはどんな特徴があると感じていますか?
中村:モノセンス自体がネットプライス時代の一部門に過ぎなかったんですよね。それが会社になって。当時の仙頭さんや玉谷さんが事業化したいと手を挙げて、それで始まったのがモノセンスです。モノセンスの誕生からしてチャレンジという風土から生まれたものです。当時はいろんなタレントさんのコラボグッズや企画をやっていましたが、途中で現事業につながるご縁がありチャレンジしたと。当時のモノセンスはまだ社員数も少なかったののであの当時によくチャレンジする判断をしたなと(笑)。
―チャレンジの積み重ねという部分もあるんですね。人数が少ない中で挑戦していたんですね。
中村:そういう文化はあると思います。今後やりたいこともやっぱりチャレンジだと思っているんです。今までの我々が得意なジャンルかというとまだまだそうではないところに打って出ようと思っていて。そこを乗り切れたら今までとは違った視野でもっと広い展開ができるだろうなと思っています。
―やりがいは?
中村:ひとつはやはりトップコンテンツを扱わせてもらえているというところだと思います。当然動く数字も大きい、ものすごくやりがいがあると思います。自分たちの企画したグッズや企画が受け入れてもらえているのかが目に見えてわかりやすいのでそういったところはやりがいだなと思います。
ふたつめはチャレンジがいろいろ出来ますよということですね。決められたことだけをお願いしたいわけではなく、むしろ自発的にどんどん進めていってほしいと思います。
裁量をどんどん任せてお願いしたいと思っています。
―どんな方と働きたいですか?
中村:コミュニケーションが気持ちいい人と働きたいですよね。ディレクションの中の大きな要素としてコミュニケーションっていうのはあると思うんです。この人が言うならやってあげようとか、調整してあげようとか、そう思ってもらえることってすごく大事だと思っています。うまいこと交渉しよう、みたいな気持ちは全然いらなくて、むしろそういう人はすぐ相手にしてもらえなくなると思います。
相手の立場に立って物事を考えるというのが重要ですね。自分のことを理解してもらおうとするのではなく、まずは相手のことを理解しようと努める気持ちや姿勢が大切です。
―ありがとうございました!
―これまでのキャリアを教えてください
中村:コンサル会社に入社し事業開発部で1年間事業を調査、発掘、分析する業務に当たりました。2年目から立地戦略で出店すべき立地の選定や分析を行い、3年目から販促支援を行う戦略企画室に所属し商品企画を運用していました。その部署が分社化したことで出向となり、当時はモバイル黎明期で、会員400万人のモバイルメディア運営に従事し、会員さんに向けてメールを打ったり原稿を書いたりカスタマーサポートをしたり、広告の売買、アフィリエイト、バナー制作のほか、初歩的なhtmlタグでページ作成をしたりEC運用をしたりなど全般をやっていました。
親会社業績悪化に伴って、分社化していた子会社はM&Aによって転籍する形となりましたが、転籍先でモバイルに関する広告の販売などを主に、モバイル以外の広告も取り扱っていました。当時はゲームアプリと飲食店のタイアップ企画なども行っていました。
モバイル事業従事後は、ご縁があり大手小売りチェーンの海外事業部の人事コンサルをさせていただくことになり、台湾、シンガポール、上海、アメリカなど各現地の幹部陣や店長の方々に向けて日本流の接客マニュアル作成や研修実施、組織風土診断などをしていました。
その後、玉谷さんから誘われてモノセンスの仕事をはじめたのですが、モノセンスではアーティスト全般のディレクターとしてCDやMDの企画販売運用・現地対応を包括して担っていました。
―モノセンスの初めの仕事はアーティストの案件からだったんですね
中村:そうですね。モノセンスでは最初はアーティストのECサイト運用からスタートして、グッズだけでなくDVD,CDと扱うものが増えていき、担当するアーティストの数や業務範囲も増えていきました。
タイミングが来た時に選んでもらえる存在足りえるかがすごく大事
―モノセンスの事業について詳しくお伺いしても良いですか?
中村:アーティストのオフィシャルショップの運用とオリジナルブランドの運営ですね。私はオフィシャルショップの運用、CDショップ、ファンクラブを主に管轄しています。どの事業も各メンバーに任せて運用していますが、ファンクラブは私がディレクターとして携わっています。
現事業を引き続きより伸ばしていきながら、一方でモノセンスとしてさらに新たなチャレンジをいくつか考えています。ポイントは2つで、1つはEC運用に自信は持ちつつもそこにこだわらないこと、もう1つはより多くのアーティストやクライアントに喜んでいただける展開をしていくこと。EC領域にこだわらないというのは、アーティストのネットショップを10年近く運用してきた中で大変なこともたくさんありましたが、日本のトップコンテンツのECをずっと運用しつづけてきたことにより多くのノウハウや見識やメンバーの成長につながりました。EC運用に自信を持っていいと思っているのですが、一方でそこにとらわれすぎて自分たちの可能性を狭めない方が良いと思っているんですね。今まで培ったものを活かしつつ、各アーティストやクライアントのお役に立てるものはEC領域にとらわれすぎず積極的にチャレンジしていこうと考えていますし、実際にそういった取り組みをすでにし始めています。
―全体で数十億円単位で売り上げている事業ですが、どういう風に成長させてきたかを伺えますか
中村:どんな企業もどんな事業も人も自分たちの努力だけでなくて運とか縁、タイミングというものが必ず関わっていると思うんです。その中でそういうタイミングが来た時に選んでもらえる存在足りえるかがすごく大事なのかなと思います。選んでもらえるための要素は自分たちの仕事を限定しないでいかに相手の立場に立って相手の役に立つことを提供しようと心掛けられるか、そして実践し続けられるか。振り返るとそこがポイントだと思います。
一番最初、モノセンスのECディレクターは現BET(BEENOS Entertainment)代表の内海君しかいなかったんです。当時のモノセンスはエンジニアやデザイナーなど含め10人くらいの組織で、その中で私が2人目のディレクターとして入って内海君と一緒にやってきました。当時はもう本当にスタートアップで、みんなで週に半分くらい会社に寝泊まりして運用し続けていたんですけど(笑)。今はもうそういった働き方はなくしました(笑) 我々の管轄はECではあったわけですが、MDというもっと大きな階層で考えて様々な現場に行きリアル物販も担当し、売り子や列整理や会場の賑やかしといったことまで対応し、MD全体が盛り上がる取り組みをしてきました。
CDの取り組みでも自分たちのEC領域という枠だけにとらわれず、プロダクションやレーベルやイベンターの方々のよりお役に立てる存在足りえるよう様々な業務に積極的に対応してきました。
CDでは特典会を提供しているケースもあったりするんですね。そこでの我々の仕事はインフォメーション対応で、参加券を忘れてしまったとか、引っ越しして参加券と身分証の住所が一致しないとか…そういったお客様対応がインフォメーションなのですが、そういった対応以外も気になったことをどんどんやることにしたんです。
例えば会場運営とか。細かいですが空調が熱すぎる寒すぎる場合はイベンターさんに温度調整をしてもらったり、一部のお客様が座り込んでしまっていて通行の妨げになっている場合はお声がけさせてもらったり、またはインフォメーション対応においても参加券を多くお持ちの方にはうまく全参加券をお使いいただけるよう調整を図ったりなど、お客様が過ごしやすい空間づくりやまた来たいと思っていただける運営に努めていました。
もちろん我々の主要業務はEC領域ですからいかにECの売上を伸ばすかが最重要で、そこがおろそかになっていては意味がありませんので、しっかりとEC領域を運営していることが大前提でその上での+αということですね。
そうすると、自分たちの管轄以外の仕事も積極的に行うことを評価していただけ、モノセンスにどんどん任せようと思ってもらえる。こちらからの相談にも仕事に関係なく乗ってくださるし、そういったことを積み重ねてきた結果が今なんじゃないかと思います。だから取り扱う商材も増えていきましたし、新しいアーティストも「お願いね」と任せてもらえました。
新しいことが始まるとき、何かを検討しているとき、そういったときに相談してもらえる、選んでもらえる自分たちでありたいと思っていて、自分たちの仕事を限定せず取り組んできたことがここまで事業が大きくできた要因じゃないかと思っています。もちろん負荷はすごかったのですが、モノセンスのみんなとそれを乗り越えてきて今があるんだと。
―すべてに関わるというマインドでやっているんですね
中村:お客様から見たらプロダクションなのかメーカーなのかレーベルなのかイベンターなのかモノセンスなのか、とか関係ないんですよね。オフィシャルショップを運営しているんだから運営なんでしょという話だと思うんです。我々は運営であるという意識で各業務に取り組まなければいけないという話はモノセンスのメンバーにさせてもらっています。
ECに必要なディレクション力
―運営では様々な役割がありますが特に必要な要素をお伺いしたいです
中村:一言でいうとディレクション力でしょうか。エンタメ業界に関わっている方々はクリエイティビティや企画力が本当にものすごくあって、面白いアイデアがどんどん出るんですよ。ただ、それをシステムとしてサービスとして具現化できるかどうかは別問題なんですね。
という中で、我々はリアルとWEBの両方の知識や経験を駆使して、いかにエンタメのDX化や実現化に向けて交通整理できるかが大事と思うんです。
様々な関係各社に対して企画内容を一番良きようにどうまとめられるか、各社でもちろん思惑や利害関係やメリットデメリットがそれぞれあってモノセンスとしてももちろんあるわけなんですが、それが一番いい形になるようにする、ただディレクションするだけじゃなくてその企画が最も成功するようなディレクションに努める、というのがポイントだと思います。我々が重宝していただけているとしたら、そういうところに重きを置いて活動していることが理由なんじゃないかなと思います。
―モノセンスでの仕事の特色はどういったところですか?
中村:やはりディレクション力じゃないでしょうか。採用でも応募者の方にお伝えしているのはディレクション力が身につくというところなんです。このディレクションをやれるようになったら色んなディレクションができるようになると思いますよ、と。
―どういう点が他社と異なるのでしょうか?
中村:まず関係者が多いですよね。社内外含めてやり取りする方々が多いので、その人数をしっかりディレクションできるかどうかがポイントです。あと、無理難題というか難易度の高いも調整事もめちゃめちゃ出ますということ(笑)。
―それはエンタメ業界ならではという部分もありますか?
中村:あると思います。クライアントからハードな指示が来たとか、仕様が何もきてないとか、または仕様が決まって開発着手しているのに仕様変更の依頼がきたとか、エンジニアあるあるのような話は、エンタメ業界に限らず様々な業界でもあるお話だとは思うんですね。
とはいえエンタメ業界ならではの部分もやっぱりあって、例えばコンサートが来月急に開催されることになったから慌ててグッズを作り始めないといけない、今から間に合うグッズで考えないといけないし、でもファンの方たちに喜んでもらえるグッズにしたいし、間に合う工場は日本なのか中国なのか、数量はどうしよう?など急いで決めて進行していかないといけない、といったことがあったりするんです。
余裕のあるスケジュールだったらという気持ちや要望はもちろんありますが(笑)、限られた期間の中で何が一番ベストなのか、妥協案ではなくベストな案を模索する。
関係各社が希望するアウトプットは何か、それがそのMDや企画や施策において最適か、他案件との兼ね合いも含めて限られたリソースの中でどうスケジュールを立て業務配分を行うか、スピード感を持って進行できるか、無理や無駄はないか、ベストな選択を調整しつつ探りつつ依頼、指示、確認をする。その繰り返しの中で全体最適を図り続ける難しさと面白さがディレクションの醍醐味だと思います。
こういったことが身につくとものすごく広い視野でいろんなことが出来るようになるんですね。新規事業や新案件の立ち上げでもいいですし、別の事業のディレクターに変わったとしてもやっていけるんですよ。何を気にして何を確認してできることできないことをはっきりさせていきながら、各社の要望をどう交通整理していくか。そういうことができる人ってどこに行っても通用するんです。
―特にモノセンスはトップコンテンツを扱っていることから関係企業や人がすごく多いと思うのですが、いかがですか。
中村:規模が大きいのでやはり関係者は多いと思いますね。
―BEENOSの強みって何でしょうか?
中村:チャレンジする風土が強いところだと思います。
―メンバーにはどんな特徴があると感じていますか?
中村:モノセンス自体がネットプライス時代の一部門に過ぎなかったんですよね。それが会社になって。当時の仙頭さんや玉谷さんが事業化したいと手を挙げて、それで始まったのがモノセンスです。モノセンスの誕生からしてチャレンジという風土から生まれたものです。当時はいろんなタレントさんのコラボグッズや企画をやっていましたが、途中で現事業につながるご縁がありチャレンジしたと。当時のモノセンスはまだ社員数も少なかったののであの当時によくチャレンジする判断をしたなと(笑)。
―チャレンジの積み重ねという部分もあるんですね。人数が少ない中で挑戦していたんですね。
中村:そういう文化はあると思います。今後やりたいこともやっぱりチャレンジだと思っているんです。今までの我々が得意なジャンルかというとまだまだそうではないところに打って出ようと思っていて。そこを乗り切れたら今までとは違った視野でもっと広い展開ができるだろうなと思っています。
―やりがいは?
中村:ひとつはやはりトップコンテンツを扱わせてもらえているというところだと思います。当然動く数字も大きい、ものすごくやりがいがあると思います。自分たちの企画したグッズや企画が受け入れてもらえているのかが目に見えてわかりやすいのでそういったところはやりがいだなと思います。
ふたつめはチャレンジがいろいろ出来ますよということですね。決められたことだけをお願いしたいわけではなく、むしろ自発的にどんどん進めていってほしいと思います。
裁量をどんどん任せてお願いしたいと思っています。
―どんな方と働きたいですか?
中村:コミュニケーションが気持ちいい人と働きたいですよね。ディレクションの中の大きな要素としてコミュニケーションっていうのはあると思うんです。この人が言うならやってあげようとか、調整してあげようとか、そう思ってもらえることってすごく大事だと思っています。うまいこと交渉しよう、みたいな気持ちは全然いらなくて、むしろそういう人はすぐ相手にしてもらえなくなると思います。
相手の立場に立って物事を考えるというのが重要ですね。自分のことを理解してもらおうとするのではなく、まずは相手のことを理解しようと努める気持ちや姿勢が大切です。
―ありがとうございました!
Profile プロフィール
- 中村 吉彦
- コンサルティング会社にて事業開発・立地戦略・戦略企画など多岐に渡るコンサルティング業務に従事し、グループの事業会社に出向。モバイル黎明期に会員数数百万人のモバイルメディアの運用・企画立案・広告販売・EC・ライティング・カスタマーサポート・運営全般を経験。営業会社に転籍後、モバイルメディア運営の傍ら広告代理販売事業を立ち上げ、OOH広告メニューの開発・営業や、タイアップ企画を実施。退職後、某大手小売チェーン海外事業部の人材コンサルティングに従事し、台湾・中国・シンガポール・アメリカなど各国で人材育成研修・評価制度立案・組織風土診断などを遂行した後に、モノセンス株式会社に入社。アーティストグループのディレクターとして事業を推進。2020年9月より代表取締役に就任。