Business 2021.07.09

BEENOSの”今”について、グループCEO直井聖太に聞く ー後編ーBEENOSの目指す、人と組織のあり方

BEENOS代表取締役CEOの直井がグループの“今”について語るインタビュー。前編では、「世界的に通用するプラットフォームに進化させていく。」と、BEENOSの現在地とこれから向かう未来について語りました。
後編では、直井の目指す「人と組織」のあり方に触れます。CEOとして、「意思決定の回数が人を成長させる」と話す直井に、BEENOSがさらに成長していくための組織づくりや、活躍する社員が持っている素養についても聞きました。飾らない言葉と熱量をそのまま起こしたためBEENOSの“今”が垣間見える記事に仕上がりましたが、編集チームとしてもこれを伝えることが重要だと感じられた、そんなインタビューです。

止まらずに自分で答えを見つけに行くんだと行動できている人が、結果的に成果を出している



-BEENOSは現在、キャリア採用も新卒採用も行っていますが、当社グループが求める人物像をどのように考えていますか?

直井:自ら考えて自分で行動する人。自分の意見をもって行動ができる人。シンプルなことだと思っています。でも活躍するうえで一番重要なことだと思うんですよね。特に当たり前のことでもあるんですが、僕たちがやることってそもそも今までにない市場を作っていこうとしてるから、どこかに答えがあるというものではない。誰かに教えてもらえるわけでもないんです。自分たちで考えて答えを見つけていかないといけない。これは楽しいと思う人にとっては楽しいし、苦しいと思う人にとっては苦しい。誰かに教えてもらって正解を得ることは簡単ですからね。

-直井さんが見てきた、活躍する社員が共通して持ち合わせているものってあるんでしょうか?

直井:そもそも何か新しいことをやってやろう、今までなかったものを作ってやろうと思ってる中で、止まらずに自分で答えを見つけに行くんだと行動できている人が結果的に成果を出してるし、事業責任者になったり社長になったりしているんです。自ら行動できる人のポジションが上がっていっているかなと感じています。

-未開拓市場への挑戦について、楽しい人にとっては楽しい、苦しい人にとっては苦しいとおっしゃっていましたが、個人がもともと持ち合わせている素養に起因するものですか?

直井:本来は自分で考え自分で行動することが楽しいことだと僕は思っているんですけど、意外とそうじゃない人がいると感じています。
ここは教育や素養のところも大きい。自分で考えるということを学校で習わないんです。「なぜ信長は延暦寺を焼き討ちしたと思いますか?」ではなくて「何年にそれが起きたか?」と知識と答え合わせの場になっている。それが学校の授業なので考えない教育をしていると思います。自分で考える癖みたいなのは身についてないと苦しむ可能性がある。そう考えると、学校の授業とか塾の授業など以外の経験がある方が強いかもしれない。スポーツとか、音楽とか、ゲームでもいい。うまくなりたい、強くなりたい、どうやってチームメイトとうまくやっていけるんだろうだとか思った経験がある人のほうがそうした素養を持っているんでしょうね。

意思決定の回数が人を成長させる


-事業責任者には苦しい局面も多いと思っています。そんな状況の時にかけている言葉はありますか?

直井:人によりますね。絶対的に正しい状況ってないので。例えば部下に厳しい人の場合は優しくしろ、優しいだけの人にはリーダーシップを持てと言っています。絶対的にかける言葉はないんですが、ただ一個だけいうと、“最後は自分で決めよう”とは言っています。人は最終判断をするときに成長する。誰かに決めてもらって乗っかってるのは経験を積んでるだけで成長がないんです。自分で決めて自分でやってはじめて実体験として取り込めるし、そこでなぜ間違った判断をしたのかとか、いい判断ができたのかというところを含めて次の判断に生きてくるんですよね。意思決定の回数が人を成長させると思うんですよ。

自分で本当に決めなきゃいけないという状況でどう意思決定ができるかということは本当に難しい。例えば「こちらの案のほうがいいと思います」とほかの人からいわれて「自分の意見はこうです」、と言うときと「自分の意見はこうだから、こうしなくてはいけない」、と決めるときでは全然違う。

事業責任者やトップは更に上にCEOなどの存在などがあって最終的に意思決定をしてくれるという状況があるんだと思います。だけどそういう状態に極力ならずに自分自身の責任において決めてほしい。それを繰り返すことで実際に成長していくと思うから。

 

自分で決めて、自分で判断して、自分で成し遂げていく


-新卒や社員の成長のために意思決定の回数をどう重ねるか。BEENOSのカルチャーとして意図して取り組んでいることはありますか?

直井:組織においてはこういった意思決定の回数で人を成長させるような仕組みづくりをもっと発揮していくべきなんだろうとは思っています。今必要なのはMGRがもっと成長していくこと。目標設定・管理についても、本来はOKRでいいところを敢えてしていません。もう少しひりひりした状況で意思決定をして欲しいんですよ。だから今明確に目標を定めて、アプローチ方法については任せています。その中でどうやって実現していくかをMGRは問われている。どうやっていくか自分で決めなくてはならない。自分で決めて、自分で判断して、自分で成し遂げていくというプロセスを学んでほしいなと思っています。ゆくゆくはOKRに変えようと思ってはいます。

人材育成で考えると、自分で成果に対してコミットして、考える・実現していくことを若いメンバーは学んでいく必要があると思います。
新しいことをやろうと思うと、難しい場面も往々にしてあり、そういったことで止まらず自分で答えを見つけてきた人が事業責任者になってきたり、社長になったりしてきたので。人の力を借りてもいいから物事を実現する自立した人間であってほしい。

-社員に明確に期待していることはありますか?

直井:それぞれ違いますね(笑) けど、やっぱり自立してほしいですね。自立した人間に一緒になろうね、と。自分の人生なので自分で生きてほしいんです、自立している人のほうが輝いている、一緒に働いていて楽しい。そういう生き方をしてほしい。何かを目指してほしいというよりは、そこは人によって違うし僕たちがどうこう言うことじゃないんだけど、かっこよくいきたいですよね。かっこよく働きたいし、かっこよく仕事したいし、そこはメンバーに期待しているポイントですね。 

-自立という言葉をBEENOSではよく聞きます。人によってさまざまな受け止め方がありますが、仕事上の“自立“を直井さんはどう定義されていますか?

直井:仕事もプライベートも同じだと思っているのですが、自立とは、一人で何かを成し遂げることではない。全部自分でやらなくてはいけないという意味での自立ではないんですよね。僕たちが思っている自立というのは、何か目標、目的、成し遂げたいことややりたいことがあったとき、実現までもっていく力を持っていることなんですね。意志を持った時に実現する力を持った人。成し遂げるためにはいろんな人の力を借りたって僕はいいと思ってるし、成し遂げる人になりたいですよね。小さなことでもいいし、 成し遂げる人にはなりたいです。

SNSを見てても誰かに何かを期待している人って案外多いと思うんですよ。もっとこうしたらいいのに。ああしたらいいのにと言っていても世の中は変わらないことが多くて。多くの人たちは「これが問題だ」って分かってるんだけど、なかなか変わらないっていうことが多いと思うんですよね。だけど僕たち一人一人が「何とかしてやる」って思ったら絶対変わると思うんですよ。一人一人が自立した生き方をしてみたらもっと楽しくなると思うし、それは会社も同じことだと思っています。BEENOSは世の中を良くしていくこと、新しいネクストスタンダードをつくっていくこと、社会をよりよくしていくことにチャレンジしていくために事業をやる会社です。簡単ではないです、簡単ではないからこそ負けずにみんなで協力して成し遂げてやるという気概を持ってチャレンジをすることが大事なので、従業員はもちろん僕もその気概はもっともっと強くしていきたいですね。

入ったらすぐにあばれてやるというくらいの人のほうがいい


直井:正直ベースでお話しすると、勝手になんかやっちゃってる人のほうがいいですね。「え、もうやっちゃってるの??」みたいな人のほうが。 「え!?」っていう人の方が(笑)。待っててなかなか動かない人よりは、ね。何かやる人ってそういう人だと思っています。

-かつての直井さんのそんなエピソードも聞いたことがあるような(笑)

直井:(笑)。ビジネスに没頭するときって身体が反応しちゃってますよね。後で上司の承認をなんとかとるか、位の感じで働いてた方がいいよなと思います。自分の仕事だと思って没頭してる人のほうが楽しいですよね。

もしBEENOSに入ろうと思うのであれば、そういう感じが大事です。 BEENOSが目指すべきことを実現しようと思うのもいいし、まずは自分でやりたいことをやるっていうのもいい。やりたいことが見つかってない人は考え続けてもやりたいことは見つからないです。
僕はモチベーションを上げるために何かやってることって無いんです。座禅組んだりとか、無いわけですよ(笑)。仕事をやっていくうちに何かに「ふれる」のでその中でこれやりたい、この問題を解決したいって出てくる。

僕だって従業員のみんなと話しているとモチベーションを上げて貰えるし、若いうちって本当に「これなんだ」って思っている位がむしゃらにやったほうがいい。そして自分でやってみる。人からバカにされようががむしゃらにチャレンジするということを、やりたいことが見つかっていない人こそやるべき。最初は分からないこともいっぱいあると思うけど関係ない。「入社した最初の3年おとなしく勉強します」より、入ったらすぐに暴れてやるという位の人のほうがいいのかなと思っています。謙虚な姿勢はなくてもいいですよ。すぐ上の人たちを抜いてやるからな、位の気持ちの人のほうがいい。僕はそう思っています。 

Profile プロフィール

 
 
直井聖太(Shota Naoi)
1980年生まれ、愛知県出身。コンサルティング企業に入社後、2008年にBEENOSへ入社。輸出Eコマース関連の新規事業を担当し、tenso株式会社(当時、株式会社転送コム)の立ち上げに参画。2012年、tenso株式会社の代表取締役社長に就任(現任)し、「From Japan」のクロスボーダービジネスを牽引。2014年、BEENOS株式会社 代表取締役社長兼グループCEOに就任。2016年には東証一部に市場変更。クロスボーダー事業を軸とした新グループ成長戦略を推進し、グループ事業や投資先とのシナジー効果を発揮、モノ・人・情報を日本と海外、双方向に繋ぐグローバルプラットフォームを展開。
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