Engineering 2020.08.17

技術+αな人、組織を目指して。ー未来のエンジニアの在り方を聞きましたー

昨今エンジニアを志望する学生が増加しています。7月に登壇したテックカンファレンス「技育祭」にて、『テクノロジーの発展によりこれまでのエンジニア像とは異なる人材の育成や組織形成が必要』と話したBeeCruise CTOの漆原。その意図は何だったのでしょうか?本日はBEENOSのエンジニアチームを紐解くインタビューを実施!漆原、佐野の2名に、未来のエンジニア像についても聞いみました。


BEENOSのエンジニア組織の特徴は「実現方法を柔軟に採用する」組織。

漆原:BEENOSのエンジニアは、一人ひとりのメンバーが、「どのように作るか」について責任を担っています。多くの技術が生み出される中で、エンジニアは継続的にキャッチアップを怠りませんが、BEENOSは、プロダクトやプロジェクトのトレードオフスライダーに照らし合わせて、実現方法を柔軟に採用する組織です。

そもそも、エンジニアは上がってきた仕様書通りに作れば良いというわけではありません。作り手のエンジニアだからこそ、ユーザー視点・顧客視点を持ち、システム開発と運用を行うことが必要なのです。
「どのように作るか」だけではなく「なにを作るか」「なぜ作るのか」にも関与するのが当社で求められることです。

漆原さんは、顧客視点を持つ際に、どのような手法を取り入れていますか?

対象に対して興味をもってサービス開発をしていくことが大事ですので、家族や友人、課題を抱えている方に、ヒアリングの場を設けています。システムを利用するユーザーが社内部門の場合は、もちろん当該部門に対するヒアリングを行います。

佐野:そもそもサービス開発自体、企画チームから全て決まった要件が落ちてくるのではなく、提案・相談としてスタートすることが多いものです。

新規事業のサービス開発は、プログラムとしてだけではなく、企画・営業・今後の事業の展望を考慮してサービスの仕様を考えていくことが必要です。BEENOSエンジニアはそれらに対応できるような組織構成になっています。
また、開発メンバーだけでなく、営業チームや企画チームなど部署を超えてのディスカッションは積極的に行い、開発していきます。


ビジネス、事業創造はエンジニアにとってもやりがい。

漆原:BEENOSのエンジニアの強みは、ICT(情報通信技術)を自身の手段としたビジネスマンになれることです。
ビジネスを創り、ビジネスを動かすモノを作れるのは楽しいことだと私は思います。過去に経験した中で最も楽しかった開発は、BEENOSの越境ECを可能にしたサービスであるBuyeeで、海外からでも気軽に日本の商品が購入可能なショッピングサイトを作りたい、というのが原点でした。現在では約2,200社と連携ができており、世界118か国の方が、利用できるまで大きくなりました。

Buyeeを手軽にと考え、開発者主導で開発したのが“Add to Buyee”でした。プロダクト実現の可否がかなりエンジニアリングに依っているため、開発側が主導してアイディアを出し、プロダクトを開発しました。BEENOSならではのエンジニアの楽しさではないかと思います。
強みや楽しさと難しさは表裏一体で、世界を対象にビジネスを創ることは大変難しいですがビジネスに携わることも我々の強みです。変化に富み、楽しいことでもあると思っています。

佐野:世の中に影響のあるサービスに携わることができ、さらに意見を取り入れてもらえて形にできることはエンジニアならではですよね。

漆原さんの話にもありましたが、開発者手動で形にしたAdd to Buyeeで、海外販売のシステム連携が簡単にできるようになったことで少なかった提携数が増加。今では多くの企業様の名前が入っていて、ページを見るたびに感極まります(笑)

▼該当ページ

最近メインで開発に入っているnarabeeというサービスは、実際にエンドユーザーが使うサービスなので、お客様の感動や感謝が生まれると考えると、エンドユーザー向けのサービスを実際に自分の手で作れることはやっぱり何よりも楽しいです。
世の中の変化や社内の方針変更に素早く対応する必要があるので、常にアンテナを張りながら臨機応変にその都度解決策を考え更新(進化)させています。


ノーコード・ローコード時代のエンジニアとは?

漆原:ノーコード・ローコード時代、私はエンジニアにとって三つ重要な点があると考えています。
一つ目は、「課題に対する興味、課題を抱えている対象(ヒトやコト)に対する興味」。興味をもつことで真に寄り添った解決策を考えることができるということです。

二つ目は、「プログラミング的思考」。この思考で解決策を一般化することができ、仕組化の目処が立ちます。そこに対して、世の中に多く存在しているヒントやノウハウを駆使して形にできるのがエンジニアの価値だとおもいます。

三つ目は、「多用な表現方法の継続的なキャッチアップ」。世の中は変わっていきます。もちろんヒントやノウハウもツールも。だからこそ継続的なキャッチアップが結果を変えます。
ノーコード・ローコード時代においては、これまでとは違った働き方や実装の仕方が必要とされます。プログラミングを進化させていくということだけではなくて、行動から結果に至るまでの考え方を変えていくべき時代になっていくのではと思っています。

noteでも 「エンジニアが書く越境EC Hack note」というのを執筆しているので、さらに興味があるかたは是非。(https://note.com/uru3beenos

佐野:私も「自分で作る」から「他人が作ったものを利用する」ことが増えていくのではないかと感じています。そうなると、作らないことを選択肢に入れる必要が出てくる。
普段から結構口癖のように言っているんですが、“大工さん”になるより“建築家”になるということがこれからさらに求められてくることだとおもいますね。

漆原:大工さんより建築家、わかります。ツールが増えてきて、ビルダーと呼ばれる人たちがシステムを構築する時代になってきました。エンジニアに求められることは今後もさらに変化していくのでしょうね。


BEENOSのエンジニアが目指すネクストスタンダード

BEENOSグループはパーパスに“ネクストスタンダードを創る”ことを掲げています。日々進化し、一歩先の時代のあたりまえを見据えること。それは事業開発だけではなく、BEENOSで働くうえで社員一人一人も向き合う価値観です。エンジニアのお二人に、組織とご自身それぞれが今見据え、実現しようとしているネクストスタンダードを聞いてみました

漆原:では、組織のネクストスタンダードと漆原個人のネクストスタンダードについて。自分でビジネスを長くやってきた経験と、BEENOSでエンジニアの生き方について長く思考している関係からか、会社でも国でも場所でもない、もしくは、それらが有機的に関係した「生きていくための新しいエンティティの創造」に興味があります。人と会社が互恵的な関係を継続的に発展的に築くような組織のネクストスタンダードの在り方を考え、構築していきたいです。

加えて言うと、多様化が促進される中、所属の概念は変わっていくと思うので、時代の流れに関わっていきたいと考えています。
仕事だけのパフォーマンスだけでなく、社員のプライベートでの取り組み・ライフスタイル、夢などにも目を向ける必要があると考えています。働くメンバーを労働力としてだけで捉えるのではなく、互恵的な関係性をワークスタイル(働く時間も個人の時間も)の中で築いていきたいです。

佐野:エンジニアには、プロフェッショナルとして人に負けない技術力を持つというところに向き合ってほしいです。もともと業務委託という働き方をしていたため、技術力で仕事を獲得し、開発する、プロフェッショナルとしての厳しさは十分理解しているつもりです。業務委託の方にスキルが高い方が多いのはそのためでしょうね。

ですが、要件定義する上ではコミュニケーション能力も重要で、「技術×コミュニケーション能力」が大切。だからこそ、事業会社のエンジニアは技術力だけでなく課題解決オタクになってほしいと思っています。

技術は手段ということを理解し、技術と同様にコミュニケーションの部分も磨いていく必要があるんです。一人のビジネスマンとしては両方が重要であるということをメンバーには伝えていきたい。当社エンジニアが市場のプロフェッショナルの方と肩を並べ、より技術力を持つ人材に成長させるよう組織を作っていきたいです。

佐野さんの個人のネクストスタンダードは何ですか?

佐野:個人のネクストスタンダードとしては、“新しい仕事に臆さないエンジニアになること”ですかね。慎重に考えるタイプで、まず行動、というよりリスクなども考えて慎重に判断しています。時にそれが行き過ぎてしまうところがあると思ってます。

漆原:たしかに佐野さんは慎重ですよね、ですが組織はそれぞれが持つ面をうまく組み合わせて一つのチームとして成長することが重要だと思っています。いつも冷静さと慎重さにお世話になっていて、大変感謝しています(笑)

佐野:ありがとうございます!確かに漆原さんと僕は結構対照的ですよね。
ビジネスの根幹に関わっているので冷静さや慎重な判断力は持ちつつ、システムだけではなく契約や予算等 (システム担当として)知識と応用力を身につけていけるようにしたいと思います。開発技術で敵わないと感じることもあります。 ただその際は個人ではなく、開発組織の一員として価値を出せる人間になることが、僕のネクストスタンダードですね。


漆原さん、佐野さん、ありがとうございました!

今回はオンラインでインタビューしましたが、エンジニアチームが画面越しでも互いを思いやり、尊敬していることが伺えました。

タイプの違うエンジニアでも、ビルダーとして垣根を越えて一緒にサービス創造をしており、そこにはチームだからこその楽しさがあるようです。
ネクストスタンダードを創造する、それは容易なことではありません。ですが、開発したサービスが世の中の常識を変え、誰かの役に立つことはエンジニアの最高の喜びだと二人は話していました。

BEENOSグループは今後も世界の可能性を拡げる事業の創造に務めてまいります。