Business
2021.10.14
身近にシステムのユーザーを感じながら仕事ができる”ブランディア”のエンジニアたち

平和島にあるデファクトスタンダード社。倉庫内で働く「ブランド売るならブランディア」でおなじみのブランド買取サービスの”ブランディア”を開発するエンジニアの面々をマネジメントする荻野と桑原。新規事業へのかかわり方やエンジニアとしての在り方、そのマインド、BEENOSのエンジニアの特色などを伺いました。BEENOSで活躍できるエンジニアとはどんな人材か多角的な面から探ります。
―荻野さん、桑原さん、それぞれの担当領域を教えてください。
荻野:エンジニアマネジメントからプロジェクトマネジメント、技術分野は桑原に大部分任せていますが時々口を出したり、全体的に部署の統括・管理・運営をしています。
特に近々で力を入れているのがDSTとしてブランディアの海外販売強化の推進、プロジェクトの推進、技術的な委託、サービスの橋渡しの拡張などを中心にやっていくことが今一番の我々の部署のミッションです。その点を踏まえて技術分野、採用分野、組織分野しかり、包括的に担当しているということですね。
桑原:荻野さんの下でマネージャーとしてやらせていただいています。
DSTの技術部門の包括管理運営をやらせてもらっていて、チームとしてはインフラチームをメインでマネージメントしています。新しい技術を導入するときに技術検証をしたり、新システムの設計をまず僕が見て確認するということをやっています。
―過去に遡って、ブランディアでどんな改革、開発をしてきましたか?
荻野:これまでいろいろしてきたなと思いますが、大きいものは2つかなと。まず1つめが、組織体制改革です。マネージャーにならないかと声がかかったのは約5年前なのですが、当時、チームの中で何が一番足りていなかったかというと、エンジニアと経営陣をうまく繋いでまとめていくエンジニアマネジメントの部分であり、両者をつなぐ橋渡しが上手くいっていませんでした。開発するものは沢山あり、エンジニアは必死にこなしていました。しかし、経営陣にはそれがうまく伝わっていない状況で評価されない。悪循環が生まれていました。そこで、エンジニアが活躍できて、社内で存在感を出せるように自分が主軸となり2年間くらいかけて変革していきました。経営陣と対話の機会をつくっていったり、組織をつくっていく上では採用や教育にも関わりました。技術的に難易度が高い開発が多いので、業務知識をつけるための教育と時間的コストのバランスを取っていく施策を考えたりと、前衛的な開発に注力できるような体制になりました。当時は10名程にまで減ったエンジニア組織でしたが、今では29名も在籍する大所帯となりました。まだまだ発展段階ではありますが、一つの到達点に辿り着いたかなと思います。
2つ目は開発についてです。デファクトスタンダード社の倉庫は、各商品棚から人力で商品を探していた時代がありました。かなりアナログな方法ですね。(笑)
そこで、システム上で在庫を管理をし、効率的に商品を見つけるというロケーション管理開発を担当しました。外部の企業にもアプローチし、「倉庫管理ってどんな風にやってるんですか」と聞いて回りつつ、うちの会社で実現可能かつメリットが出せる範囲で仕組を作っていきました。今も基盤は使われていますし、今後の事業戦略の中で、この仕組みと同じような形を流用してやりましょうという話も出ていたりするので、その時に培った知識と今も活かされている基盤が他にも発展しているというのが嬉しくもあり、経験としてはとても大きいなと思っています。
ー荻野さんは入社10年目ですよね。
荻野:丸10年ですね。10年前は事業の成長率が凄まじいものだったので、組織的にも技術周りもカオスだったかもしれませんね。(笑)
ー桑原さんは何年入社ですか?
桑原:2018年1月に入社です。もうすぐ4年目です。
―記憶に残る開発はなんですか
桑原:僕はデファクトスタンダード社では現場の開発の経験が浅い方なんですが、どちらかというと開発環境の改善だったりエンジニアの働く環境を近代化していくことがキーミッションでした。
前職がゲーム系で特に技術開発が進んでいる会社だったので、当たり前にGitを使ってコンテナ化もそろそろやっていかないとねというようなフェーズの頃だったのですが、そういった環境からいきなりGitを使ってなくてSVNですみたいな感じで、開発テストはどうやってるんですか?と聞くと「共有のテスト環境があります」と言われる環境でした。これはエンジニアだけじゃなくデザイナーさんにも影響が出る状態だったので、そこをまず変えないと作業効率も上がらない。技術的には7年くらい前の開発環境を近代のものに切り替えていきました。SVNをGitに切り替えて、使い方をエンジニアだけでなくデザイナーさんにも全員説明をして使ってもらえるようにしました。
当時はPCのスペックも低かったので、スペックの低いPCでも十分に開発ができるようにコンテナ技術を使って開発環境を切り替えていきました。このときもエンジニアとデザイナーさん両方が使えるようにし、ミドルウェアもすべて入れて開発ができる状態まで推進していきました。また、開発環境が古いという面もあり、無駄な工数がかかっていました。SVNでかつ共有のテスト環境しかない状態だと同じファイルを皆が同時に触れないので、順番待ちが発生していたんですね。その待つことが無駄なので変えなきゃまずい、とマネージャーなどに働きかけて変えさせてもらいました。
―いろんなことが変わって今があるんですね
自分たちが思い描いているものを実現するために構想段階から参画できるっていうのは魅力がある話ですよね。
―今、どんなプロジェクト(開発)をしていますか。課題などはありますか?
荻野:ブランディアは海外出品、越境ECを強化していきたいという方針があります。BEENOSグループの他部署の力も利用させてもらって加速しているんですが、現在全体を占める売り上げの比率を15%から向こう3年以内に50%に持っていこうとしています。
そこで現場の力もそうですし、システムの力も必要になってきます。スピード、システムの整備、エンジニアのパワー、この三点が課題としてあります。
技術はリプレイス業務を進めようとしています。ブランディアは複数サイトに出品してどこかで売れればよいとしています。出品販路を拡大すればどこかで売れる可能性が上がりますが、その中でも高く売りたいわけです。そして高く買い取りたい。お客様の満足度は最終的には価格なんです。高く売って高く買い取る、この仕組みを確立してシェアを取っていきたい。これを実現するために出品機能のリプレイスとしてどこの販路にも同時に出品できる今の仕組みを流用しつつ、高く売れるサイトにだけ出品していく仕組みにしていく。これが1つ目の課題です。このためには商品を買い取る、システムを作ることにパワーがかかってくるんです。
ここが組織的な課題だと思っているんですけど、やはり新しい仕組みとかを作っていくっていうことは技術的なパワーもそうですが、事業として成立させるための推進力がいる。この推進力がめちゃくちゃかかるんです。
新しいことに挑戦するときって「これでいいのかな?」と二の足を踏みがちですが、しっかりと技術チームで議論を進めて自信をもって、且つ自分の技術力で突破していけるような自走できるチームである必要があります。また、採用にも力を入れ、外から刺激を受けつつ組織として底上げをしていき、こういった大規模なプロジェクトを成功に導いていきたいと考えています。現在進行形の課題であり、これから進めるプロジェクトですね。
ー有名になったブランディアですが、開発における難しいことはどんなことですか?
荻野:新しい事業を立ち上げるシーンに参画できることってそんなないと思うんです。事業側の要望も聞きながら実現していくということは間違いないですが、エンジニア観点でもいろいろと提案できるタイミングでもあると思うんですよ。要は請負の開発だけしていると「これなんで作らないといけないんでしたっけ?」と納得感に欠けるところがあると思うんです。しかし新規事業立ち上げは事業を構築するっていうところから参加することができるので、自分たちが思い描いているものを実現するために構想段階から参画できるっていうのは魅力がある話ですよね。いうなればベンチャー感ですね。
もう1つは技術的な側面。私は事業の技術選定からエンジニア皆で一緒に議論していきたいと思っていて、どういう言語を使いたいとか、サーバーはここで契約したいとか、こういうミドルウェア組みたいとかふんだんに議論できるタイミングなんですね。既存のでき上がったシステムを只改修するだけでなく新しく選定するところから携われるというのが2つ目のメリットです。チームを構築していくのはこれから、特にそれをリードしてくれるエンジニアには組織作り・自分と一緒にパフォーマンスを上げていけるメンバーを集めていきながら事業を構築していけるというところに面白さを感じられます。
エンジニアにはベンチャーマインドが求められます。今まで培った経験を試してみたいという人にはめちゃめちゃもってこいの環境です。ぜひそういう人に来てもらいたいし、そういう人がはまると思っています。
―アウトプットするという意味でもいい環境ですね。これだけ大きいサービスのリプレイスは本当に貴重なプロジェクトですね。
荻野:そうですね。アウトプットの結果が目で見れるのが魅力だと思っていて。作ったものの結果が数字で見れる、これは絶対メリットだと思うんですね。
―どんなことを大事にしながら開発していますか?エンジニアに求めていることはなんですか?
桑原:システムが古くなっているんです。開発するというと古いコードを読んで開発しないといけないんですけど、ただ単に開発できることより、いかにその状況をいい形で新しいものに変えていく提案ができるかを大事にしています。既存のまま開発をするよりはより良いものがあればそちらの技術をチョイスしていってほしいなあ。どちらかというとマインドの話になりますね。
―実際現時点である技術を使いながらリプレイスはできるわけですが、作り直しの範囲が広がったとしてもより良い技術の方向でやっていこうということですよね。
桑原:そうですね。古い技術を使い続けるということは、そこのメンテナンスコストが上がっていきますし、ほかのツールくっつけたいとかの互換性などがどんどん消えていってしまうので、多少工数がかかっても新しい技術を取り入れていってほしい。そこに対して自分から進んで「ここを変えたいんですけどどうでしょうか」と言えるエンジニアがいたり、そういう考え方ができるエンジニアがうまくやっていけるエンジニアなのかなあと思います。
―事業にどれだけ寄り添えるのかということですね。
桑原:SNS等でよく見かけますが文句だけ言って終わってるエンジニアより代替案を提案できるエンジニアであってほしい。文句だけで止まってるようなエンジニアよりも事業によりそって一緒に提案していきながらより良くしていくって楽しくないですか?
―それはソリューション部が大事にされているマインドですね
―そういったマインドをどうやってチームに伝えていますか?
桑原:僕が思ってるだけかもしれませんけどね(笑)浸透しているかな。チームのほうにはできるだけ改善まではやってもらえるように意識しています。インフラだとサーバー構築だったり設定変更だったりと依頼が定常的に降ってくるんですけど、なんのためにそれをやるのかを考えてほしい。その案件を行ったその結果どうなるのかというところまで考えたうえで、「こういう手順を踏めばできるんだけど、その前になにがあって、そのあとに何があって」と思考しましょうと伝えながらチームで業務をしています。
―一つのカルチャーですよね。
桑原:BEENOSグループの一つの軸かなと思います。
荻野:挑戦するっていうことと、まず自分で手を動かしてみる、失敗を恐れないこと。失敗を恐れる人も多いんですけど。まあ怒られますけど、そこまでめちゃめちゃ怒られる会社じゃないんですよね。やらないほうが「なんなの?」ってなる。失敗してもいいから挑戦してほしいなと思います。挑戦はし続けてほしい。実際僕も大失敗した経験もありますし・・・(笑)
まずは請負型のエンジニアにならないこと。自分が参画しているプロジェクトが何のためにその数字を追いかけてなぜこれを達成しなくてはいけないのか。プロジェクトの計画が本当にそれで正しいのかというところにも、エンジニアだから関係ないではなく自分たちもこだわってやってくださいと伝えています。
ここにどれだけ向き合えるのかがすごく重要だと思っていて、最終的には本人のキャリアもそうですし、評価にもはね返ってくるんですよ。結局のところエンジニアが何か作りました、評価してください、で評価されるわけではなくて、事業として成功して利益を生み出して、初めて評価につながっている。そこを意識した仕事をやらないと結局自分に返ってきますと伝えています。
とはいえ、簡単なことではないし、苦手なエンジニアもいると思うので、話にも入り泥臭くやっていく。メンバーそれぞれに向き合い一緒に課題解決していく姿勢を大事にしています。
これができる人、できない人はまだ半々くらい。徐々に徐々に口を酸っぱくして言いつつ、できないときには一緒に話にも入り、泥臭くやっていく。苦手な人には向き合いつつ一緒にやっていく、事例を見せていくしかない。伝えていきつつ、寄り添いつつやっていくっていうのが基本スタイルですね。
―そういう環境だからこそ身につくのはどういった部分になりますか
荻野:事業での結果・現場感を体験できるのはすごくメリットだと思います。 物理的な環境でいうと平和島ってガチの倉庫なので、エンジニアがイメージするようなきれいな部屋にパソコンがバーと並んでる部屋とはちょっとイメージが違うので、それをイメージしていると違和感があるかもしれません。ただ、開発現場のすぐ横に倉庫があって、実際に商品を査定している人がいてどんな商品が来ていて、どういう流れでどういう風に会社から出て売れていくのか、出ていった結果が基幹システムの数字に計上されているのがすべて開示されているんですよ。経営陣しか見れないわけではなくて、誰でも見れるようになっています。基本的には物流の流れ全体、結果も知ることができますし、やってみたいと言ってくれれば査定に携わることもできますし。コロナになってからはやってないんですけど、コロナ前はソリューション部でも入社後2週間くらい査定研修をやっていました。あとはピッキングをたまに手伝ってもらうとか。そういうことを自分で体験しながら結果を追っていくっていうのはできるんです。自分で作ったシステムを現場で使うことができるのはすごく楽しいところです。使用感の声も周囲に人がいるのですぐに届きます。いい時はシステムを褒められるし、システムが止まった時は怒られる。(笑) やっていてダイレクトに伝わってきて楽しいです。本当に体感型だなあという感じですね。新しい技術を使ってすごいシステムを作って自己満足したいっていう人にはちょっと合わないかもしれませんが、作ったものに意義を見出したい、みんなの役に立っていると体感したい人にはもってこいな環境じゃないかなと思います。
―桑原さんもそういったところに面白さを感じていますか?
桑原:そうですね。僕は採用のときに内定が数社出ていたのですが、他社と比べた時に倉庫で後ろで物がすごい動いている、システムを使っている人が目の前に見えるというのはかなり魅力的だったのでデファクトスタンダード社(BEENOSグループ)を選びました。ただ、エンジニアってなんだかんだ言ってきれいなところで仕事したいとか、平和島に出勤したくないという人がいる。渋谷とか六本木で働くのがカッコイイじゃんってなっちゃいますよね。就職のときの選択肢として考えるとデファクトスタンダード社は不利になるようなファクターを持っているかもしれません。僕は前向きにとらえた珍しい人種だと思っています(笑)
―そういう人に刺さるといいですよね。サービスを使っている人が目の前で見れますし。経験を積めるという点も大きな魅力ですよね。
荻野:結構楽しいんですよ現場で仕事してみると。ただ場所は不便。採用の現場でも最後に平和島に来たら心折れた採用者もいるんです。打ち出し方が非常に難しいと思っているんですけど、ちょうど今リモートワークになっていて、コロナが明けてもリモートワークは継続し、必要であれば出社するようなハイブリットな働き方ができると考えています。100%リモートワークではないけど、たまに出社で現場を感じられるほうがいいのかなと思ったりはしています。働き方は柔軟になるのでたまにの平和島が楽しみになる可能性もありますよね?(笑)
―エンジニアとしてありたい組織、実現したいこと、挑戦していきたいこととはなんですか?
荻野:会社の成長、組織の成長、個人の成長、これがリンクしているのが一番いいと思っているんです。これを実現していくためには一人一人の個人が自分がまかされたことを一生懸命やっていく、結果を出していくということもそうなんですけど、会社の事業全体に対して自分事として進めていくことがとても大切。それがないとソリューション部という部署としても結果を出していけません。また、ほかの部署と連携して何か結果を生み出して利益を上げていく、これらをうまくつなげていって結果、会社、個人、キャリアが全部つながるような組織と、事業を成長させることに喜びを感じてもらいながら実現していける風土創り・組織作りをやはり一番やりたいと思っています。一緒にやっていただける方に入っていただきたい。それに僕も楽しみたいです。
所属しているメンバーに対して相互尊敬ができるエンジニアであってほしい
―桑原さんは技術的にはどうですか。ここまで押し上げるぞというようなものはありますか?
桑原:まずは足元を固めていくというところがまだ緩いので、OSのリプレイスやシステムのリプレイスを技術的には押し進めていくことが一つの命題かなと。
そして更に強いチームをつくるためにも、大事にしているマインドは伝え続けていきたいですね。
エンジニアがエンジニアらしく働きやすい環境であってほしいので、所属しているメンバーに対して相互尊敬ができるエンジニアであってほしいです。ユーザー様だけでなく、一緒に働いている方やスタッフ一人一人に対してリスペクトを持ちながら働いていける人に来てほしい。絶対に下に見たり、上に見たりとかせずにフラットにリスペクトを持ちながら仕事をしてほしいなという気持ちを持っています。そういう方にBEENOSグループに来ていただきたいと思っています。
―それも一つの大事なマインドですよね。荻野さん、桑原さん、ありがとうございました。
職場環境、採用、技術面での課題を乗り越えてー
―荻野さん、桑原さん、それぞれの担当領域を教えてください。
荻野:エンジニアマネジメントからプロジェクトマネジメント、技術分野は桑原に大部分任せていますが時々口を出したり、全体的に部署の統括・管理・運営をしています。
特に近々で力を入れているのがDSTとしてブランディアの海外販売強化の推進、プロジェクトの推進、技術的な委託、サービスの橋渡しの拡張などを中心にやっていくことが今一番の我々の部署のミッションです。その点を踏まえて技術分野、採用分野、組織分野しかり、包括的に担当しているということですね。
桑原:荻野さんの下でマネージャーとしてやらせていただいています。
DSTの技術部門の包括管理運営をやらせてもらっていて、チームとしてはインフラチームをメインでマネージメントしています。新しい技術を導入するときに技術検証をしたり、新システムの設計をまず僕が見て確認するということをやっています。
―過去に遡って、ブランディアでどんな改革、開発をしてきましたか?
荻野:これまでいろいろしてきたなと思いますが、大きいものは2つかなと。まず1つめが、組織体制改革です。マネージャーにならないかと声がかかったのは約5年前なのですが、当時、チームの中で何が一番足りていなかったかというと、エンジニアと経営陣をうまく繋いでまとめていくエンジニアマネジメントの部分であり、両者をつなぐ橋渡しが上手くいっていませんでした。開発するものは沢山あり、エンジニアは必死にこなしていました。しかし、経営陣にはそれがうまく伝わっていない状況で評価されない。悪循環が生まれていました。そこで、エンジニアが活躍できて、社内で存在感を出せるように自分が主軸となり2年間くらいかけて変革していきました。経営陣と対話の機会をつくっていったり、組織をつくっていく上では採用や教育にも関わりました。技術的に難易度が高い開発が多いので、業務知識をつけるための教育と時間的コストのバランスを取っていく施策を考えたりと、前衛的な開発に注力できるような体制になりました。当時は10名程にまで減ったエンジニア組織でしたが、今では29名も在籍する大所帯となりました。まだまだ発展段階ではありますが、一つの到達点に辿り着いたかなと思います。
2つ目は開発についてです。デファクトスタンダード社の倉庫は、各商品棚から人力で商品を探していた時代がありました。かなりアナログな方法ですね。(笑)
そこで、システム上で在庫を管理をし、効率的に商品を見つけるというロケーション管理開発を担当しました。外部の企業にもアプローチし、「倉庫管理ってどんな風にやってるんですか」と聞いて回りつつ、うちの会社で実現可能かつメリットが出せる範囲で仕組を作っていきました。今も基盤は使われていますし、今後の事業戦略の中で、この仕組みと同じような形を流用してやりましょうという話も出ていたりするので、その時に培った知識と今も活かされている基盤が他にも発展しているというのが嬉しくもあり、経験としてはとても大きいなと思っています。
ー荻野さんは入社10年目ですよね。
荻野:丸10年ですね。10年前は事業の成長率が凄まじいものだったので、組織的にも技術周りもカオスだったかもしれませんね。(笑)
ー桑原さんは何年入社ですか?
桑原:2018年1月に入社です。もうすぐ4年目です。

―記憶に残る開発はなんですか
桑原:僕はデファクトスタンダード社では現場の開発の経験が浅い方なんですが、どちらかというと開発環境の改善だったりエンジニアの働く環境を近代化していくことがキーミッションでした。
前職がゲーム系で特に技術開発が進んでいる会社だったので、当たり前にGitを使ってコンテナ化もそろそろやっていかないとねというようなフェーズの頃だったのですが、そういった環境からいきなりGitを使ってなくてSVNですみたいな感じで、開発テストはどうやってるんですか?と聞くと「共有のテスト環境があります」と言われる環境でした。これはエンジニアだけじゃなくデザイナーさんにも影響が出る状態だったので、そこをまず変えないと作業効率も上がらない。技術的には7年くらい前の開発環境を近代のものに切り替えていきました。SVNをGitに切り替えて、使い方をエンジニアだけでなくデザイナーさんにも全員説明をして使ってもらえるようにしました。
当時はPCのスペックも低かったので、スペックの低いPCでも十分に開発ができるようにコンテナ技術を使って開発環境を切り替えていきました。このときもエンジニアとデザイナーさん両方が使えるようにし、ミドルウェアもすべて入れて開発ができる状態まで推進していきました。また、開発環境が古いという面もあり、無駄な工数がかかっていました。SVNでかつ共有のテスト環境しかない状態だと同じファイルを皆が同時に触れないので、順番待ちが発生していたんですね。その待つことが無駄なので変えなきゃまずい、とマネージャーなどに働きかけて変えさせてもらいました。
―いろんなことが変わって今があるんですね
自分たちが思い描いているものを実現するために構想段階から参画できるっていうのは魅力がある話ですよね。
―今、どんなプロジェクト(開発)をしていますか。課題などはありますか?
荻野:ブランディアは海外出品、越境ECを強化していきたいという方針があります。BEENOSグループの他部署の力も利用させてもらって加速しているんですが、現在全体を占める売り上げの比率を15%から向こう3年以内に50%に持っていこうとしています。
そこで現場の力もそうですし、システムの力も必要になってきます。スピード、システムの整備、エンジニアのパワー、この三点が課題としてあります。
技術はリプレイス業務を進めようとしています。ブランディアは複数サイトに出品してどこかで売れればよいとしています。出品販路を拡大すればどこかで売れる可能性が上がりますが、その中でも高く売りたいわけです。そして高く買い取りたい。お客様の満足度は最終的には価格なんです。高く売って高く買い取る、この仕組みを確立してシェアを取っていきたい。これを実現するために出品機能のリプレイスとしてどこの販路にも同時に出品できる今の仕組みを流用しつつ、高く売れるサイトにだけ出品していく仕組みにしていく。これが1つ目の課題です。このためには商品を買い取る、システムを作ることにパワーがかかってくるんです。
ここが組織的な課題だと思っているんですけど、やはり新しい仕組みとかを作っていくっていうことは技術的なパワーもそうですが、事業として成立させるための推進力がいる。この推進力がめちゃくちゃかかるんです。
新しいことに挑戦するときって「これでいいのかな?」と二の足を踏みがちですが、しっかりと技術チームで議論を進めて自信をもって、且つ自分の技術力で突破していけるような自走できるチームである必要があります。また、採用にも力を入れ、外から刺激を受けつつ組織として底上げをしていき、こういった大規模なプロジェクトを成功に導いていきたいと考えています。現在進行形の課題であり、これから進めるプロジェクトですね。
ー有名になったブランディアですが、開発における難しいことはどんなことですか?
荻野:新しい事業を立ち上げるシーンに参画できることってそんなないと思うんです。事業側の要望も聞きながら実現していくということは間違いないですが、エンジニア観点でもいろいろと提案できるタイミングでもあると思うんですよ。要は請負の開発だけしていると「これなんで作らないといけないんでしたっけ?」と納得感に欠けるところがあると思うんです。しかし新規事業立ち上げは事業を構築するっていうところから参加することができるので、自分たちが思い描いているものを実現するために構想段階から参画できるっていうのは魅力がある話ですよね。いうなればベンチャー感ですね。
もう1つは技術的な側面。私は事業の技術選定からエンジニア皆で一緒に議論していきたいと思っていて、どういう言語を使いたいとか、サーバーはここで契約したいとか、こういうミドルウェア組みたいとかふんだんに議論できるタイミングなんですね。既存のでき上がったシステムを只改修するだけでなく新しく選定するところから携われるというのが2つ目のメリットです。チームを構築していくのはこれから、特にそれをリードしてくれるエンジニアには組織作り・自分と一緒にパフォーマンスを上げていけるメンバーを集めていきながら事業を構築していけるというところに面白さを感じられます。
エンジニアにはベンチャーマインドが求められます。今まで培った経験を試してみたいという人にはめちゃめちゃもってこいの環境です。ぜひそういう人に来てもらいたいし、そういう人がはまると思っています。
―アウトプットするという意味でもいい環境ですね。これだけ大きいサービスのリプレイスは本当に貴重なプロジェクトですね。
荻野:そうですね。アウトプットの結果が目で見れるのが魅力だと思っていて。作ったものの結果が数字で見れる、これは絶対メリットだと思うんですね。
代替案を提案できるエンジニアであってほしい
―どんなことを大事にしながら開発していますか?エンジニアに求めていることはなんですか?
桑原:システムが古くなっているんです。開発するというと古いコードを読んで開発しないといけないんですけど、ただ単に開発できることより、いかにその状況をいい形で新しいものに変えていく提案ができるかを大事にしています。既存のまま開発をするよりはより良いものがあればそちらの技術をチョイスしていってほしいなあ。どちらかというとマインドの話になりますね。
―実際現時点である技術を使いながらリプレイスはできるわけですが、作り直しの範囲が広がったとしてもより良い技術の方向でやっていこうということですよね。
桑原:そうですね。古い技術を使い続けるということは、そこのメンテナンスコストが上がっていきますし、ほかのツールくっつけたいとかの互換性などがどんどん消えていってしまうので、多少工数がかかっても新しい技術を取り入れていってほしい。そこに対して自分から進んで「ここを変えたいんですけどどうでしょうか」と言えるエンジニアがいたり、そういう考え方ができるエンジニアがうまくやっていけるエンジニアなのかなあと思います。
―事業にどれだけ寄り添えるのかということですね。
桑原:SNS等でよく見かけますが文句だけ言って終わってるエンジニアより代替案を提案できるエンジニアであってほしい。文句だけで止まってるようなエンジニアよりも事業によりそって一緒に提案していきながらより良くしていくって楽しくないですか?
―それはソリューション部が大事にされているマインドですね
―そういったマインドをどうやってチームに伝えていますか?
桑原:僕が思ってるだけかもしれませんけどね(笑)浸透しているかな。チームのほうにはできるだけ改善まではやってもらえるように意識しています。インフラだとサーバー構築だったり設定変更だったりと依頼が定常的に降ってくるんですけど、なんのためにそれをやるのかを考えてほしい。その案件を行ったその結果どうなるのかというところまで考えたうえで、「こういう手順を踏めばできるんだけど、その前になにがあって、そのあとに何があって」と思考しましょうと伝えながらチームで業務をしています。

失敗してもいいから挑戦してほしいなと思う
―一つのカルチャーですよね。
桑原:BEENOSグループの一つの軸かなと思います。
荻野:挑戦するっていうことと、まず自分で手を動かしてみる、失敗を恐れないこと。失敗を恐れる人も多いんですけど。まあ怒られますけど、そこまでめちゃめちゃ怒られる会社じゃないんですよね。やらないほうが「なんなの?」ってなる。失敗してもいいから挑戦してほしいなと思います。挑戦はし続けてほしい。実際僕も大失敗した経験もありますし・・・(笑)
まずは請負型のエンジニアにならないこと。自分が参画しているプロジェクトが何のためにその数字を追いかけてなぜこれを達成しなくてはいけないのか。プロジェクトの計画が本当にそれで正しいのかというところにも、エンジニアだから関係ないではなく自分たちもこだわってやってくださいと伝えています。
ここにどれだけ向き合えるのかがすごく重要だと思っていて、最終的には本人のキャリアもそうですし、評価にもはね返ってくるんですよ。結局のところエンジニアが何か作りました、評価してください、で評価されるわけではなくて、事業として成功して利益を生み出して、初めて評価につながっている。そこを意識した仕事をやらないと結局自分に返ってきますと伝えています。
とはいえ、簡単なことではないし、苦手なエンジニアもいると思うので、話にも入り泥臭くやっていく。メンバーそれぞれに向き合い一緒に課題解決していく姿勢を大事にしています。
これができる人、できない人はまだ半々くらい。徐々に徐々に口を酸っぱくして言いつつ、できないときには一緒に話にも入り、泥臭くやっていく。苦手な人には向き合いつつ一緒にやっていく、事例を見せていくしかない。伝えていきつつ、寄り添いつつやっていくっていうのが基本スタイルですね。
自分で作ったシステムを現場で使うことができるのはすごく楽しいところです。
―そういう環境だからこそ身につくのはどういった部分になりますか
荻野:事業での結果・現場感を体験できるのはすごくメリットだと思います。 物理的な環境でいうと平和島ってガチの倉庫なので、エンジニアがイメージするようなきれいな部屋にパソコンがバーと並んでる部屋とはちょっとイメージが違うので、それをイメージしていると違和感があるかもしれません。ただ、開発現場のすぐ横に倉庫があって、実際に商品を査定している人がいてどんな商品が来ていて、どういう流れでどういう風に会社から出て売れていくのか、出ていった結果が基幹システムの数字に計上されているのがすべて開示されているんですよ。経営陣しか見れないわけではなくて、誰でも見れるようになっています。基本的には物流の流れ全体、結果も知ることができますし、やってみたいと言ってくれれば査定に携わることもできますし。コロナになってからはやってないんですけど、コロナ前はソリューション部でも入社後2週間くらい査定研修をやっていました。あとはピッキングをたまに手伝ってもらうとか。そういうことを自分で体験しながら結果を追っていくっていうのはできるんです。自分で作ったシステムを現場で使うことができるのはすごく楽しいところです。使用感の声も周囲に人がいるのですぐに届きます。いい時はシステムを褒められるし、システムが止まった時は怒られる。(笑) やっていてダイレクトに伝わってきて楽しいです。本当に体感型だなあという感じですね。新しい技術を使ってすごいシステムを作って自己満足したいっていう人にはちょっと合わないかもしれませんが、作ったものに意義を見出したい、みんなの役に立っていると体感したい人にはもってこいな環境じゃないかなと思います。

―桑原さんもそういったところに面白さを感じていますか?
桑原:そうですね。僕は採用のときに内定が数社出ていたのですが、他社と比べた時に倉庫で後ろで物がすごい動いている、システムを使っている人が目の前に見えるというのはかなり魅力的だったのでデファクトスタンダード社(BEENOSグループ)を選びました。ただ、エンジニアってなんだかんだ言ってきれいなところで仕事したいとか、平和島に出勤したくないという人がいる。渋谷とか六本木で働くのがカッコイイじゃんってなっちゃいますよね。就職のときの選択肢として考えるとデファクトスタンダード社は不利になるようなファクターを持っているかもしれません。僕は前向きにとらえた珍しい人種だと思っています(笑)
―そういう人に刺さるといいですよね。サービスを使っている人が目の前で見れますし。経験を積めるという点も大きな魅力ですよね。
荻野:結構楽しいんですよ現場で仕事してみると。ただ場所は不便。採用の現場でも最後に平和島に来たら心折れた採用者もいるんです。打ち出し方が非常に難しいと思っているんですけど、ちょうど今リモートワークになっていて、コロナが明けてもリモートワークは継続し、必要であれば出社するようなハイブリットな働き方ができると考えています。100%リモートワークではないけど、たまに出社で現場を感じられるほうがいいのかなと思ったりはしています。働き方は柔軟になるのでたまにの平和島が楽しみになる可能性もありますよね?(笑)
―エンジニアとしてありたい組織、実現したいこと、挑戦していきたいこととはなんですか?
荻野:会社の成長、組織の成長、個人の成長、これがリンクしているのが一番いいと思っているんです。これを実現していくためには一人一人の個人が自分がまかされたことを一生懸命やっていく、結果を出していくということもそうなんですけど、会社の事業全体に対して自分事として進めていくことがとても大切。それがないとソリューション部という部署としても結果を出していけません。また、ほかの部署と連携して何か結果を生み出して利益を上げていく、これらをうまくつなげていって結果、会社、個人、キャリアが全部つながるような組織と、事業を成長させることに喜びを感じてもらいながら実現していける風土創り・組織作りをやはり一番やりたいと思っています。一緒にやっていただける方に入っていただきたい。それに僕も楽しみたいです。
所属しているメンバーに対して相互尊敬ができるエンジニアであってほしい
―桑原さんは技術的にはどうですか。ここまで押し上げるぞというようなものはありますか?
桑原:まずは足元を固めていくというところがまだ緩いので、OSのリプレイスやシステムのリプレイスを技術的には押し進めていくことが一つの命題かなと。
そして更に強いチームをつくるためにも、大事にしているマインドは伝え続けていきたいですね。
エンジニアがエンジニアらしく働きやすい環境であってほしいので、所属しているメンバーに対して相互尊敬ができるエンジニアであってほしいです。ユーザー様だけでなく、一緒に働いている方やスタッフ一人一人に対してリスペクトを持ちながら働いていける人に来てほしい。絶対に下に見たり、上に見たりとかせずにフラットにリスペクトを持ちながら仕事をしてほしいなという気持ちを持っています。そういう方にBEENOSグループに来ていただきたいと思っています。
―それも一つの大事なマインドですよね。荻野さん、桑原さん、ありがとうございました。
Profile プロフィール
- 荻野 裕幸
- 工学系大学を卒業後、システム受託会社に就職し、大手の自動車、飲料、医療、造船、航空と様々な業界の大規模システム開発に従事し、要件定義から設計、開発、現場導入と一連の工程を経験。後期にはPLとしても携わり、6年間従事。
その後2011年に現職に転職し、WEBサイト開発、アルバイト&中途社員の育成などを担当し、部署のマネージャーを歴任。
現在はソリューション部長として経営層と戦略の立案から現場マネジメント含め幅広く従事。
- 桑原 大輔
- 政策系大学を卒業後、官公庁向けシステム受託やBtoCサイト開発などに従事し、2010年頃から7年間ソーシャルゲーム・ゲームアプリ開発に従事。大型タイトルの運営やiOS/Androidの売上上位ゲームのリリースなどを担当。
その後2018年に現職に転職し、主に開発基盤の整備、新卒のコーチングを担当。
現在はマネージャーとして技術部門の包括管理運営、インフラチームのマネジメントに従事。趣味はアニメ鑑賞。