Business 2021.05.24

グループの強みを活かし、中期的にグローバル比率50%を目指す BEENOSグループのリコマースサービス

BEENOSグループのグローバルコマース事業でリユース商材は流通シェアも高く、日本のリユース商材には高い信頼が寄せられています。
2021年9月期の第1四半期決算説明会では、当社代表取締役 直井よりバリューサイクルの中期戦略として「グローバル比率50%に引き上げていきリユースの国境をなくす」と発表がありました。
国境のない、リコマースサービスの実現のために今何に取り組んでいるのか?BEENOSグループのバリューサイクル事業の事業責任者に酒買取専門店JOYLABとブランド買取のブランディアを担当するお二人に他社との差別化や、海外市場について聞いてみました。


JOYLLAB株式会社 取締役  太田圭亮(写真左)
株式会社デファクトスタンダード 取締役  植松勇人(写真右)

規模の拡大が予想されるリユース市場


太田:数年前から世界的にサステナビリティが大きなキーワードになっています。環境に配慮する活動は過去にもありましたが、キャンペーンレベルで浸透しきれず終わるケースが多かったと思います。しかし、最近では個人へも浸透しているように感じています。

持続可能な社会を目指す活動を行ううえで、「モノを捨てない・再利用する」ことは、非常にシンプルながらも個人個人が参加できる行動として、非常に効果的だと思います。
私たちのような二次流通事業者はもちろんのこと、CtoCアプリ含め、社会インフラ的な立場としての重要性が今後も増すと思っています。

私たちが酒買取事業を始めたころと比べると新規参入事業者が増え、非常に競争が激化しています。またコロナ禍により、各社買取は苦戦していると聞いています。当社もコロナ禍で試行錯誤したアクションを行っている中、巣ごもり期間中に断捨離を行い、そこで初めて酒買取の存在を知ったというお客さまとの出会いも多くありました。これまでよりも希少なお酒が手に入ることがあったりと、以前よりも買取の傾向が少し変わっている部分があります。


植松:不動産、自動車などを除くリユース市場は日本国内だけを見ても2兆円を超える市場規模で、今後数年で3兆円の市場規模に迫ると言われています。そのなかでもBtoC、CtoCともに成長していますが近年はCtoCの成長が著しいです。また、ファッションアイテムに絞っての市場規模は1兆円に迫る勢いです。こうしたリユース市場の成長は世界的な傾向で、例えば中国では中古ブランド品だけを見ても日本をはるかに上回る3.2兆円の規模がありますが、新品比は5%とまだまだ低く、これからさらに市場規模が拡大する十分な余地があります。エコ、サステナビリティという社会的課題解決にも結びつくビジネスというのも追い風だと思っています。
サステナビリティを意識したCSR活動としては、実はブランディアは過去に古着の寄付世界1(https://brandear.jp/ct/worldrecord/event)をとったことがあるんですよ。
使わないモノの価値を大事にして、循環させていくことには力を入れています。
 

DXの議論よりも、圧倒的なUXを目指す


植松:ブランディアは自宅にいながら非対面でできる宅配買取に特化してサービス展開、オペレーション構築、マーケティングを行ってきました。当該領域での利便性は徹底的に磨き込んできており、具体的には、無料で届く梱包資材や、1日約数千点のお品物を最短当日で可能な査定スピード、ブランディアというサービスのCMも含めた圧倒的認知の獲得などを図ってきています。

そもそもリユース分野のDXを先駆けて行ってきたのがブランディアですから、テクノロジーの導入についてはUXの向上と次のフェーズに移っています。オンライン上で査定ができるアプリ“ブランディアBell”は昨年7月にスタートしたのですがライブ通話ですべてが完結するアプリです。ユーザーが求めているものに向き合うため、入金タイミングは銀行に依存はするものの、当日中にお振込み作業まで実施いたします。コロナの影響もあり、家にいながら、店舗での査定と同等のスピード感でご満足いただけるよう設計しており、オンラインを希望する声にもこたえることができました。

太田:お酒のリコマースサービスとして差別化していく上で、常に考えていることは3点あります。

①業界最高水準での買取への徹底
やはり買取をご依頼するお客さまは「いかに高く、いかに早く現金化できるか」を重視します。当社は2019年から一貫して業界最高水準での買取を掲げており、顧客アンケートにおいても50%程度のお客さまが、JOYLABを選ぶ第1の理由に挙げていただいています。同時に、当社は主要銘柄の買取価格をオープンにしており、毎週欠かさず最新の状態に更新し、その通りの価格でちゃんと買い取ります。

ただお問い合わせいただくのを待つだけではなく、お客さまの行動を考えて開示できるところを開示し、当社の価格を見ていただき、ご納得いただけたら申込いただくというのがお客様目線でも分かりやすいと考えています。そして、買取にも複数の選択肢をご用意することで、お客様の普段の生活に溶け込みやすいようなサービスを作っています。

②テクノロジーの導入
二次流通業界にはどんどんテクノロジーの波が押し寄せていますが、酒買取業界はまだまだアナログな状態です。しかし私たちは、そんな中でも積極的にテクノロジーを導入し、お客さまの利便性向上に努めています。

例えばオリジナルアプリ MyCellar では、お持ちのお酒コレクションを登録することで、お手元にあるお酒の価値が可視化できます。そして査定価格も表示されることで、お酒が売れる=資産であることに気づいていただくことができ、売りたいタイミングが来たら、アプリから売却依頼を出すことができるワンストップでお酒買取を実現いたします。

また内部的には査定をデジタル化しており、条件から瞬間的に査定額が算出される仕組みを構築しています。店頭はもちろんのこと、出張買取等で出先でもかんたんに確かな査定を行うことができるようになりました。

③安心感
酒買取の世間的な認知度は、30%前後との認識です。そのため、適正な価格で買い取ってくれるのか?ちゃんとお金は振り込まれるのか?個人情報は適切に管理されているのか?といった不安をお持ちの方は多いと思います。

お客様の不安を払しょくするため、JOYLABは「一部上場企業のBEENOSグループ」であることを明確に打ち出しています。一部上場グループ会社であるからこその姿勢と、管理体制、ホスピタリティによって、お客様の不安を払拭できる取り組みを行っております。これにより、「安心感」は顧客アンケートの第2位に位置しており、お客様には安心してサービスをお使いいただいていると実感しています。
 

日本発だから提供できる、価値あるグローバルリコマースサービス



太田:お酒に関しては、山崎や響といった国産ウイスキーや十四代等の著名な日本酒についてはかなりの需要があり、特に中国では国内相場よりもはるかに高いの2倍程度の価格で販売されています。それに伴い買取価格も上昇傾向が続いており、当社もテレビ番組の取材を受け、国産ウイスキーの二次流通動向についてお話させていただきました。
また最近ではそれに加えて、著名なヴィンテージワインの需要も目立ちます。富裕層の方たちの中で、ヴィンテージワインの価値への注目度が高まっているようです。



植松:ハイブランドは国内外問わず、どこでも高い価値があり非常に需要があります。また、リユース=中古に関する捉え方も様々で古いものでも良いものはヴィンテージとして捉えられたり、資産価値があるものとして見ていたりと、どの国でも需要があると言えます。
特に日本人はモノを大切に扱う文化が根付いていて、その一つがおさがりのように、モノをシェアするために保管状態も非常に良いものが多い。

また、日本のファッションなどは、細かいサイズ選択がありまして、海外では購入できない小さ目の服や繊細な違いにも対応できるだけの商材があるため、特にアジアの方など背格好が等しい国の方は日本から商品を手に入れるという需要は確実にあります。

ブランディアはグローバル比率50%を目指し、現在海外販売の強化を図っています。
BEENOSグループは、海外マーケットプレイスとのネットワークや物流網、グローバルなマーケティング力などの強みを保有しています。それは、創業以来、一貫してECに取り組んできたこと、海外投資を先駆けて行ってきており、独自のネットワークを持つこと、グローバル人材の存在が要因です。

それらのアセットを活用し、現在各国のマーケットプレイスとの連携を積極的に行っています。これまでに、フランス発の中古ブランド品マーケットプレイスであるVestiaire Collectiveや、東南アジア圏最大のマーケットプレイスであるshopeeなどと連携してきました。海外マーケットプレイスとの連携は、今後も拡大していきます。

国内のマーケットプレイスと海外での販売を同時に行うことでより国内とは異なる需要、相場も含めたデータが一気に蓄積され、そのデータに基づく査定が可能ですので買取の強化につながると考えています。また、宅配買取では難易度の高かった高額品の買取強化は店舗を展開しており、この点でも新たなアプローチを行っています。現在までにブランディアの直営店を都内6店舗、ブランディアの屋号でJOYLABが運営してお酒買取を行う梅田店の計7店舗をオープンしました。

グループシナジーで強い組織と事業を創る


太田:私たちはグループの中でも珍しい組織形態で、収益を作る事業基盤です。今後益々テクノロジーや海外との取り組みを強化し、BEENOSグループ間でのシナジーを生み出せたらと思っています。実際に、ブランディアとの共同店舗を展開できたことは、グループ会社ならではの取り組みだと思いました。こういった横のつながりなどを強化することで新しい取り組みを増やしていきたいと思っています。


植松:次の一手でも触れた通り、デファクトスタンダード自体が大きく変化をしている最中です。リユースマーケットもここ数年変化が目まぐるしいのですが、時代の半歩先を見た打ち手をいかに早く実行に移せるかだと考えます。これまではデファクトスタンダード単体で考えていましたが、これからはもっとBEENOSグループとしての目指す方向を見ながら考えていくと、さらに拡がる施策ができるのではないかと思っています!


―個人のネクストスタンダードは?

太田:今まで以上に視野を広げる、あるいは視座を上げて、良い意味で「飛んだ」思考をしていきたいです。目線や角度を変えるからこそ見える楽しいビジネスの素を、もっと見つけていきたいです。


植松:20代から30代中盤までブランディアの成長のために全力を注いできました。もともと海外でのファッション流通などにも興味があり、新規事業をやりたいといった想いが強かったので、BEENOSのグループで海外分野やITを駆使し、新しい事業をリユース領域と絡めて作っていきたいという強い思いがあります。

ーありがとうございました!